[レポート/後編] Sunshine Festival 2018

Sunshine Festival 2018
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texts and movies:Golgo Night 
photos:YUKI(Cinematic Films)

日時:2018年9月22~24日(土~祝月)
会場:内山牧場キャンプ場(佐久市、長野)

(……前編からの続き)

[レポート/前編] Sunshine Festival 2018

会場は標高が1200メートルあり、日がかげると夏でもかなり寒くなる。日中は日が射す時間もあったが、基本的には霧ベースで気温が低かった。昨夜もかなり冷えたし、今夜もこれから寒くなるだろう。DJがYumiiに変ってしばらくしたところで、我々は体制を整え直すために1度テントに戻ることにした。

Yumii @ Sunshine Festival 2018

A-skのレポートによるとこの会場にはお風呂がある。ゲートでもLisaちゃんがそのように言っていた。確か入浴時間が決まっているから……とか。

「そういえばゲートでもらった地図の裏に風呂の時間書いてあったね」

「マジ? 確か地図は椅子のポケットに……、あったあった、ホントだ、時間書いてある」

え~っと、今日は2日目だから……、21時までだ! まだ19時だから、サクッと準備して向かえばちょうど間に合うぞ! 我々は最後のコンビニで買出しした食料でサラッと晩飯を済ませ、タオルと着替えを持って風呂へと向かった。

風呂場はサブフロアの奥の階段を上った先にある。しかし考えてみれば風呂に入りたいのは皆同じで、しかもオープンしているのは21時までだから今の時間はムチャクチャ混んでそうだ。まさにイモ洗い状態で、風呂のお湯も汚れて変色してたり……。

Sunshine Festival 2018 風呂場

ガーン!! 予想的中じゃないか……。

しかしせっかくここまで歩いてきたんだから、ちょろっとだけでもお湯に浸かりたい。すでに入浴料の1000円も払ったことだし……、と風呂場の扉を開けてみると……。

むしろガラ空き♡ 入ってるのは2人しかいないぞ。あのおびただしい数の靴の持ち主たちがどこへいったのかは知らないが、とにかくラッキー♪

昨夜から縮こまった体をきれ~いな湯船の中で存分に揉みほぐす。生き返りますなぁ。

風呂場 内山牧場キャンプ場

完全にリセットされた体で風呂からあがる。気になるのは明日の天気だ。本日も昼間に少し日が射したものの、スカッと晴れたとは言い難い。今のところ今夜の天気も望み薄だが、最終日の明日ぐらいは晴れて欲しい。待合所に新聞でもあるかと探してみたが見つからない。フロントに立っているのは還暦間近のイカツい顔したオジサンだ。

「あのぉ……、明日の天気とかって、わかりますかねぇ……」

「あ? 明日? ここは県境でよ、山の上だからわかんねえけど、山のこっちもこっちも、天気予報じゃ下の方は両方とも晴れんなってたぞ。霧もあるからわかんねえが、ま、明日は悪かねえよ!」

おお! 多少ぶっきらぼうではあるが、ありがたきお言葉! オヤっさん、ありがとな!

暖まった体でフロアに戻ると、すでにファイヤー・パフォーマンスがはじまっていた。人だかりが凄く、前の方には近づけないのでステージ上から見ていると、すぐに小雨が降りだしてきた。オヤジ……、ホントに大丈夫だろうな?

Sunshine Festival 2018

Sunshine Festival 2018

Sunshine Festival 2018

Sunshine Festival 2018

Sunshine Festival 2018

Sunshine Festival 2018

昨夜はほんの2~3時間ほど横になっただけなので、体が冷えないうちにテントに戻って休みたいところだが……、小雨も止んだし、なんとなくもったいないので夜のマーケット・エリアをふらついてみる。

マーケット・エリアはステージのすぐ後ろだ。予想に反して衣類を扱うお店が多く、数でいえばフード類の出店の方が逆に少ない。ぐるぐると2周したあと、端っこで焚き火をしている店の前で若い店主と火にあたりながら少し話をし、テントに戻った。

我々のテントの背後には、あの可愛い電球の灯るテントが立っているので夜でも迷うことはない。ちょっと覗いてみると、タープの下でご主人と嫁さんがワインをしっぽり傾けている。

「ちょっと見せてもらってもいい?」

「いいよ~、よかったら椅子空いてるから座りなよ」

タープの下から眺める景色もなかなかだ。

「随分いい感じだね~、グランピングっていうの? このライトがまた可愛らしくていいよね~」

「これ? これいいでしょ? 買ったばっかりで使うの今回初めてだからね」

「え? そうなんだ? すっげ~いいじゃん!」

「Amazonで1000円しないからね。うちは2本使ってるけど2000円以下だから♪」

「マジか、意外とお手軽価格だね、で、バッテリーは……あー、単3電池だけだ?」

「そうなんだよ~、だからどこでも使えるからね。しかも、うちら会場に着いてから昼間もず~っと電源入れっぱなしだけどまだ全然大丈夫な感じし」

値段と見た目から察するに、ご主人たちが使ってたのは多分この辺りの商品だと思うが……、

本当にイルミネーション・ライトが灯っているだけでテントサイトが優しく、ラグジュアリーな空間になるもんだな~。我々も是非真似して居心地いい空間をつくりたいものだ。

と……、何かが俺の靴に?

「あれ?これ……、あ!? 朝鮮クワガタだ!」

なんと、どこから来たのか知らないが、尖がったノコギリ顎をした小柄なクワガタが左足の靴紐にしがみついている。指でつまみあげ、ほの暗いランタンに照らされたテーブルの上に置いてみる。カッコいいな~。

クワガタの可愛いところは、見た目はデカい顎をして強そうに見えるが、実際には動きも超スローで全然弱いところだ。ギザギザした顎も、デカくてカッコイイだけでほとんど役に立たない。見つかったが最後、絶対に捕まえられる運命だ。

とはいえ、俺はクワガタ捕りは苦手で、子供の頃から今まで自分で捕まえたクワガタといえばコクワぐらいだ。朝鮮クワガタとはいえノコギリクワガタを捉えられたのは地味に嬉しい、
アハ(*´▽`*)

そして実は先ほどから気づいていたのだが、フロアからはなかなかdopeな音が聴こえてくる。携帯に保存したタイムテーブルで確認するとBack to MarsというDJの時間だ。facebookの情報では《日本初プレイ》とも書いてある。このまま少しテントで休もうかと思っていたが……。

風呂あがり以降Toppyの姿が見えないが、きっとすでに寝てるんだろう。チラリとテントに目をやると、ピクリとも動かぬテント自体が寝息を立てているようだった。

「フロア行ってみる?」

「いやぁ……俺はちょっと昨日の晩も遊び過ぎちゃったからもう寝ようかと……」

ご主人が少し恥ずかしそうに目を逸らす。シャンティなファミリーといつの間にかどこかへ消えたクワガタに別れを告げ、ひとりでダンスフロアへと向かう。

Back to Marsは女性のDJだった。フォレスト系というのか?少しオールドスクールな雰囲気も漂うサイケデリック感で、深夜(といってもまだ0時前だが)の時間にぴったり。個人的にも好みの音だ。

続いて23:30からDaRooM。彼については別のブログに興味深い話が載っていたので、そちらを引用しておく。2014年のSunshine Festivalでのやりとりだ。

設営中にグッときたのはモロッコから来てくれたDJのダルームのことば。
写真や映像を見てもらえるとわかると思うんすけど会場のデコレーション、ものすごく手が込んでいるのです。
彼らいわく一般的な海外のパーティの場合、会場入りするのは遅くてもだいたい5日前だそうで
つまり、今回の3日前ってのはかなり時間がカツカツなわけです。

ステージのデコ&ライティングの「The ExtraDimensional space Agency」はイギリスから3名。メインデコレーションの「Artscape」は南アフリカから1名。もちろん、われわれサンシャインチームからも10数名がお手伝いにかけつけました。

だがしかし、なにしろ作業内容が多いし、複雑。なにをどうしても時間きびしいんじゃないか?と思っていたら海外から招聘した、ほかのアーティストたちがいつのまにかフツーに手伝ってくれていました。

「オレは売れっ子DJ様だから手伝いなんかしないもんね」などという

そんなおごった部分は皆無で
人気アーティストたちが率先してヤスリがけしたり、パーツを組み立てたり、作業車に乗ったり。実は、彼らも連日夜を徹してお手伝いしてくれていたのです。

寝ずに作業してくれていたダルームに「ホントありがとうね」と伝えたところ

「アーティストだから、とかそんなのは関係ないよ。だって、オレたちはいっしょにパーティをつくる仲間だろ。だからみんなでやろうぜー!」

そんなステキなことばをもらいました。

うぅ…ダルちゃん…ありがとう…(感涙)
いつも「レイジーモロカン(だらしないモロッコ人)」などと罵倒して申し訳ない…。

(出典:世界を旅するラブレター

そしてこの夜のトリを務めるのは、発足10周年を迎えたGrasshopper RecordsのHatta。国内外での経験を豊富に積んできただけに安定したプレイだ。

Sunshine Festivalといえば、前編でも書いたArtescapeによるフロアのデコレーションとともに、AfterlifeのVJ&Video Mappingも大きな見どころだ。特に下の動画の2:50~辺りからウネウネと変化していくところなんかは、ステージ全体が巨大なモンスターになったようで必見だ。夜空には薄っすらと月が浮かんでいる。

Sunshine Festival 2018

Sunshine Festival 2018

本日も深夜3時でメインフロアは終了。夜はこれが最後だと思うと名残惜しいが、明日に備えてテントに戻って休む。

 

【 最終目 / 9月24日(祝月)】

眠い。昨日の朝よりさらに眠い。時間を確認すると朝5:20。ヤバい、急がないとサブフロアのDisc Junkeyが終わってしまう。

Disc Junkey @ Sunshine Festival 2018

テントに戻るとToppyがテント前で座っている。まずはクーラーボックスから黒ラベルを取り出し、プシュっと開けて朝の乾杯だ。すでにメインフロア最終日のオープニングDJであるRenegadeのプレイがはじまっているが、音も含めてダンスフロアの様子が丸わかりなので安心だ。

Renegade @ Sunshine Festival 2018

空にはところどころ青空も覗いているが、天気は晴れ!と言えるかといえば、まだ雲も霧も多く微妙なところだ。

9:30になりCylonがプレイしはじめる。朝イチはまだまばらだったフロアにも少しずつ人が集まりだす。気温があがるにつれて空の雲も減っていき青空の割合が増えていく。これは……、これはもう、今日の天気は晴れ!って宣言しちゃってもいいですか!?

い、いや……、やっぱヤメとこ。あとで曇ってきてがっかりするのヤだもんな。

Sunshine Festivl 2018

しかしフロアの方は上り調子だ。なにせ1年間待ったSunshine Festivalもアッという間に今日が最終日! あと数時間で終わっちゃうんだから!

続くDJは南アフリカを代表するトランス・レーベルのひとつNano Recordsのレーベルオーナー、Regan。

もちろんダンスフロアには仲間たちが勢揃いしている。早々に仕事の休みをとったと連絡してきたアツシはスキーゴーグルのようなデッカいサングラスをかけて、いつもの調子で黙々と揺れている。古谷の嫁さんは相変わらず派手なコスプレ姿で最前列だ。もちろんmomoは今年もIssei Miyakeのプリーツパンツ、しかも2日目とは微妙に色が違う新品を履いている。そしてナッツとM&M’sとドライフルーツを絶妙にミックスしたオリジナルのエナジー・フードをスリムでお洒落なウォーターボトルに入れて、ときどきポケットから取り出してはボリボリとやっている。Toppyはその隣りでmomoからエナジー・フードをもらっては「これはいいねぇ♪」と社交辞令とも本気ともわからない相槌をうっている。

2002年オーストラリアでのアウトバック・エクリプス・フェスティバルで出会ったカオリちゃんとも久々に再会した。土埃りの舞うアウトバックの会場では、鮮やかな空色のカーボーイハットを被ってぐるぐると回っていた。当時、バイロンベイに住んでサーフィンに夢中だった彼女は、「サーフィンはスポーツではありません、文化です」という独自の持論を口癖のように吹聴していた。

バイロンベイのサーフポイントだと常にコンディションがよく、多少サイズが小さくてもロングライドが可能な“ザ・パス(The Pass)”が人気だが、ロングボーダーのカオリちゃんのお気に入りはライトハウスの向こう側でひっそりと波を受けるワテゴス・ビーチ(Wategoe’s  Beach)だった。ちょっと厚めでメローな波はロングボードに最適で、バイロンの中でも特別シャンティな雰囲気の場所だ。

カオリちゃんは今や1児の母親で、地元の尼崎で“Cosmic Love Bazar”というエスニックな衣料・雑貨店を営んでいる。facebookでなんとなく近況はわかっていたが、実際に会うのは15年ぶり(?)だ。

アウトバックで出会った仲間といえばアツシとカオリちゃんの他にオカッチもいる。オーストラリアの旅でずっと乗り続けていたデロリアン似のメタリックなTOYOTAを帰国のために手離すとき、元整備士のオカッチに足元を見られて格安に買い叩かれた思い出がある。トレードマークの長いドレッドヘアは当時のままだ。そもそもオカッチはSunshine Festivalの立ち上げメンバーのひとりで、スタッフを抜けた今も毎年フェスティバルには参加しているらしい。

中古のステーションワゴンでTRIPするphoto by MIKAchan

Raver’s CafeのチャーもSunshineの常連のひとりだ。数年前からRaver’s Cafeを人に任せ、チャー自身は太東ビーチパーク近くの国道沿いで“Go Crazy Cafe”という店をやっている。Cafeというのは名ばかりで完全な酒場なのだが、まわりに駅などなく車でしか行けないような場所で酒場を営業してるんだからその名の通りCrazyだ。ほとんど自分で仕上げたという店構えは、世界中からワルい海賊たちが集まってきそうなリアル ONE PIECEな世界観で超カッコいい。モヒカン頭にサングラス、上半身裸のままカウンターでシェイカーを振るチャーの姿が、当たり前だが店によく似合っている。

かつプロは今頃になってようやくフロアに姿を見せた。ZIPANG 2018のときと同じく、今回も出張帰りの成田空港から直行したということだ。かつプロと言えば……、

「暑くなってきたし、Happy Shake飲みましょうよ!」

フードエリアに移動し、かつプロおススメの特別メニュー “マハラジャ” を頼む。マハラジャと言えば思い出すのはインド、バラナシでのマハラジャ・ルームだ。

ヒンドゥー教の聖地であるバラナシは観光地としても人気で、街中を流れるガンジス川で沐浴しようと国内外から多くの旅行者が訪れる。そのガンジス川沿いに建つゲストハウス(名前は忘れたが)の最上階を占める特別室がマハラジャ・ルームだ。

旅の道中でその存在を知った俺は、バラナシに着くなりガンジス川沿いを探索し、運良く空き室だったマハラジャ・ルームに宿泊した。川に面した大きな窓からはガンジス川が遠くで北東方向に緩やかに蛇行していくところまで見渡せた。広い部屋の中には大きなベッドの他に、ペンキが剥がれてもともと何色だったかわからないロッキングチェアと、古いがよく磨かれた真鍮製の洗面台が備えられていた。大袈裟にいえばスイートルームのような感じだが、そうは言ってもゲストハウスなので値段などたかが知れている。普段は独房のような最安値の宿にばかり泊まっていた俺も、ことのきばかりはマハラジャ・ルームで連泊し、束の間のプチ贅沢を味わった。

なにはともあれHappy Shakeのマハラジャで乾杯だ。しかしその前に……、もうそろそろ、いいんじゃね? 宣言しちゃってもいいんじゃね? 

本日の天気は晴れーーッ! 
Sunshineの最終日はやっぱりサンシャイン!!
オヤっさん、ありがとな~~~!
カンパ~~イ!!

Sunshine Festival 2018

Sunshine Festival 2018

Sunshine Festival 2018

さて、Happy Shakeでエナジー補給もバッチリだ。空を見上げれば青空で、フロアのアガり具合も申し分ない。舞台が整ったところで登場していただきますか、Electric Universe に!

Sunshine Festival 2018

Sunshine Festival 2018

Sunshine Festival 2018

Sunshine Festival 2018

 

*      *     *

すべての音が止み、テントへと戻る。後ろのファミリーはすでに帰りのパッキングを終え、荷物とともに会場を去るところだった。握手と抱擁をかわし、後ろ姿を見送る。

我々2人もテントの中の荷物を外に出して乾かし、自分自身も太陽の光を浴びて日向ぼっこをしていると、momoとアツシが満足気な表情でやってくる。

Sunshine Festival 2018

Sunshine Festival 2018

上空には秋の雲が浮かび、周囲には遠く八ヶ岳連峰が見渡せる。空気は軽く、天空にいるような気持ちの良い場所だ。momoが例のエナジー・フードをボリボリと食べる。アツシが「遅い夏休みやったけど、満喫しましたわ」と言い、Toppyが空を見あげながら頷く。

2013年からはじまったSunshine Festivalは今回で6回目を迎えた。自分が参加したのは昨年と今年の2回だけだがこの間の飛躍はとても大きく、例えるなら長い間地中にいたサナギが殻を破り、蝶になって大空を舞いはじめたような、そんな感覚だった。

旧会場のオートキャンプ銀河もいい場所だが、やはりキャパシティ的に小さく、木々がすぐそこまで迫り、今考えると少々窮屈な感じがあった。対してこの新会場は眺望も素晴らしく、空も会場自体も広くて本当に伸び伸びとできる。Artescapeのデコレーションもとても映える。テントサイトやダンスフロアにはまだまだ余裕があり、駐車場の問題さえクリアできればまだまだ参加者も増やせそうだ(一方で霧が出やすいことも確かで、スタッフの中ではVideo Mappingなども考えると他の会場の方がいいのではという意見もあるようだ)。

それぞれのアーティストのプレイ内容も本当に良かったし、オーディエンスの集中力も凄かった。特に最後のElectric Universe でのダンスフロアのエネルギーはすざまじかった。それでいて会場全体は家族連れでも安心して楽しめるようなシャンティな雰囲気で満たされている。

いろいろな面でSunshine Festivalが、もはや国内屈指のというよりは、世界レベルのトランス・パーティーへと飛躍したと感じた人も多かったはずだ。それはトッシー君を中心としたスタッフたちが歩んできた道が間違いではなかったこと、そして毎回やるべきことをきっちりとやってきたことの証明だ。実際、会場を変えてキャパシティが一気に倍増した今回も、目立ったトラブルなど微塵も感じさせないままにやり遂げたのだから、本当にリスペクトの思いしかない。

今回、ステージ裏で初めてトッシー君と会うことができた。見るからに頼りがいのありそうな青年だ。彼はにこやかに笑いながら、「1度このシーンから離れてしまった人たちが、最近またパーティーに戻ってきてくれて嬉しい」と言っていた。まったくもって同感だ。

Sunshine Festival 2018

自分も2009年の奄美皆既日食音楽祭を最後に、3.11で東京を離れ、再び東京に戻ってくるまでパーティーからはだいぶ遠ざかっていた。しかしこうしてまたパーティーに行きはじめ、また次も行きたい!と思えるのは、実際にいいパーティーに出会えるからだ。Solstice、Re:birth、Sunshine、ZIPANG、Space Gathering……、その他大小たくさんのパーティーが自分たちの歩幅できちんと歩き続けてきてくれたからだ。

1990年代にカオスの中から生まれたトランス・ミュージックは、それ自体が方向性も名前もないカオスとして俺たちを飲み込んだ。ドクドクとした脈動の音が耳元で聞こえてくるようだった。まったく新しい未知の音楽がリアルタイムでその形を変え続け、表と裏がひっくり返るような体験をパーティーへ行くたびに毎回味わった。パーティーシーンとともに自分たちの体の外側も内側も、まるでビッグバンの如く無限のさらにその先へと膨張し続けるような感覚。サマー・オブ・ラブのあとに生まれ、Sex Pistolsの衝撃にも微妙に間に合わなかった世代の目の前で生々しくシーンが展開していった。踊り、狂い、途方に暮れ、そしてまた踊り続けた。

時が経ち、パーティーから離れてしまった人たちも多い。だがもし、まだ踊り足りなければ安心して戻ってくればいい。新しい世代はシーンを引き継ぎ、それぞれのやり方で少しづつ前へ進めている。Kidsエリアも充実したパーティーが多いから家族連れでも安心だ。むしろ子どもたちにこそ楽しんでもらいたい。そしてもちろん、パーティーなんて行ったこともないようなさらに新しい世代の人たちにも是非遊びに来てもらいたい。ダンスフロアはそこにあり、仲間たちは今日もどこかで踊っている。そして明日も踊るだろう。

とにかく今回も楽しかった! 本当に満喫した!
皆さん、どうもありがとうございましたーーーーッ!

 

※今回もCinematic FilmsのYUKIから写真を提供してもらいました。レポート中に掲載できなかったものも多く、以下に何枚かをまとめて紹介させてもらいます。ありがとうございましたm(__)m

 

それでは最後にあの男のシークレット・プレイの写真を載せておこう♪ 
DJ Parking from Sunshine Festival!!
次回もよろしく頼むぜ!

Sunshine Festival 2018

アスタ・ラ・ビスタ!

 

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