[レポート] iLINX Open Air 2018

iLINX 2018 Open Air
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texts, photos and movies : A-sk
日時:2018年10月6~8日(土~祝月)
会場:ヴィレッジ白州(北杜、山梨)

今年(2018年)の7月にオーストラリア在住の友人が一時帰国し、渋谷の居酒屋に仲間たちが集まった。その飲み会の席でiLINXのオーガナイザーであるタケちゃんと出会い、実際に何人かの友人と一緒にパーティーに参加したのでレポートしたいと思います。

2019年10月6日(土)

今回はクロアチアのMo:Dem Festivalでも一緒だったBrainbustersのデイナと、みほこ&2人のキッズたちと行く約束をしていた。 

デイナから「そろそろ家に着く」との連絡があり、バックパックを背負ってマンションの階段を下りていく。 デイナらしき車を見つけたので手を振ると……、 ん? デイナ1人かと思っていたのに、 助手席に誰か座っているぞ?

よーーく見てみると……あれ!?  Robert Leinerじゃん!!! 今回のiLINXのヘッドライナーであり、唯一の海外アーティストでもあるRobertが微笑んでいる!!

「Nice to meet you. My name is A-SK.」

「Nice to meet you, too.」

「………」

う……、うーむ。 いっぱいいろいろな話をしたいのに英語を話せない僕は何も言葉が出てこない。ん~、悔しいが……、しょうがない、とりあえずここはピコ太郎のモノマネでもしておこう。

実はこの日は、フォトグラファーでもありEQUINOXのメンバーとしても知られるKotaro氏とそのパートナーであるYuukiちゃんのWedding Partyだった。まずは会場の笹塚ボウルで2人の結婚を祝い、みほこ&2人のキッズたちとも合流。しばらく歓談した後、僕たちは山梨へと向かった。

iLINXのパーティー会場へ着いたのは深夜1時過ぎ。ちょうど同じタイミングでシャボン玉アーティストのOnchiも到着した。

今回は自分のテントは持参せず、Onchiのテントにいれてもらうことになっていた。Onchiのテントはトンネル式の2ルームテントで、前室の他にリビングタープのようなスペースまである豪華タイプだ。その分めちゃくちゃデカく、建てるだけでもひと苦労する厄介なシロモノだ。Wedding Partyで酒を飲み過ぎていた僕は、テントを張り終えたときには二日酔いのような状態になっていた。すでに頭痛と疲れで疲労困憊だ。

Timetable at iLINX 2018

こりゃ、1回寝ないとリセットできそうもない。今のうちに 1発寝ておこう……、 と寝袋を広げて横になるのだが、Onchiのテントなので入れ替わり立ち代わり誰かしら友人が訪ねてくる。

うう……、ま、友達は大切だからね。でも、僕もちょっとは眠りたいからさ……、って、うるさくて全然眠れんのじゃあああああああ‼

2019年10月7 日(日)

くそ、眠たいのにアホな連中の下品な話がうるさくて眠れやしない。しかたなくテントから這い出すが、かと言って踊るほどのパワーも出ない。ウロウロしていると早くも空がだいぶ明るくなってきた。

ちょうど少し前にこの辺りも台風が過ぎ去っていったようだが、そのため空気が澄んで綺麗なせいなのか、東の空が淡いピンクのグラデーションに染まってきた。

やっべーーーーー!!
めちゃくちゃ綺麗な朝焼けじゃーん!!

これは写真撮らないと。すぐさまテントに戻りカメラを取り出す。

iLINX 2018 sunrise

iLINX 2018 sunrise

外が明るくなってきたのでパーティー会場の全貌が見えてきた。

朝焼けとともに夜には見えなかった池が現れてくる。その池を囲むように出店ゾーンとダンスフロアがあり、サイズ的にはそれ程大きくはないが素晴らしいロケーションだ。この幻想的な朝焼けの中で気持ちの良い音楽を聴くのは最高だなー♪  

PARADISEBOOKS at iLINX 2018

iLINX 2018

HappyShake at iLINX 2018

しばらくすると、夜ちゃんと睡眠をとった寝起きの友人たちも続々とフロアに集まってきていた。ちょうどその時間にプレイしていたのはDJ G.だ。男らしく硬派な音がフロアを揺らしている。NICE!カッコイイ!

みんな爽やかな笑顔で踊っている。それを見ていたら二日酔いも少しずつ治ってきた気がする。

踊っていると寝起きのみほこが現れ、「乾杯しようぜっ!」と勢いよく言ってきた。しっかりと寝たであろうみほこのさっぱりした顔が羨ましい。

「じゃあ、寝起きの乾杯しよう!!」

近くにいたJIROKENを引き連れ、3人で乾杯だ。 3人とも年齢が近いせいか、一緒にいると同級生のような感じがして落ち着く仲間だ。そういえば、DJブースの裏側に山に登っていける山道があるのが気になっていた。

「あそこから山登りしてみない?」

「え…、ちょっとダルそうじゃね?」

「いや、意外と気持ちいいかもよ」

少し酔った3人が歩いているとデイナが近づいてきて「どーこ行ーくの?」と妙なイントネーションの日本語で聞いてくる。事情を説明すると「オーレ―も行ーくー!」 と言うので、スタンド・バイ・ミーさながら4人で山登りの冒険に出ることになった。

あるようなないような山道を進んでいく。上の方へと登っていくにつれ、フロアの音がだんだん小さくなっていく。少し前の台風の影響なのか、たくさんの木々たちがなぎ倒されている。10月の第1週目だというのにまるで初夏のような、夏が戻ってきたみたいな天気でめっちゃ気持ちいい♪

iLINX 2018

どこまで登ったのだろうか。音はまったく聞こえなくなり、聞こえてくるのは風の音と鳥の声だけだ。

頂上まで辿り着くと、4人で直接地べたに座っていろいろな話をした。過去、現在、未来……、地球の話やこれからの話。本当にポジティブで前向きな話が出来た。普段では思いつかない発想も自然の中だといろいろと思いつく。

しばらくするとみんなだんだん口数が少なくなり、気がつけば木々を揺らす風の音だけを聞いていた。まるで僕たちを囲む風景と一体になったような感覚だ。どのくらい時間が経ったのだろう。きっと 2~3時間はそこにいただろう。

僕は睡眠をとらずに疲れきっていたことすら忘れていた。山から下りてみるとメインフロアはクローズしていた。湖の上にあるもうひとつのDJブース=Water side FLOORからはチルアウト・ミュージックが流れていて、とても神秘的だ。

午後の昼下がりにこの気持ちの良い音楽と青空、そしてゆっくりと動く雲。 心地よい風が湖を揺らし、まるで神の世界にいるような感覚すらある。

「今やってるの誰?」

「Mamazuだよ!」

橋の上に座りながら風を感じる。うーん。気持ちいーーい♪ 身体が浄化され、疲れがすべて吹き飛んでいく。会場にいる全員が気持ち良さそうな顔でチルしている。

あーー、最高ーー♪

パーティー全体の流れと雰囲気がしっかり構築されていて、みんなが同じ気持ちでいるような一体感。素晴らしい。眠らずともパワーチャージされていく。癒されていくー。

iLINK 2018

iLINK 2018

iLINK 2018

すっかり疲れがとれ、この会場に到着したときよりずっと元気になっている。また夜に向けて踊れそうだ。

夕方5時になるとWater side FLOORの音が止み、再びメインフロアで音が鳴り出した。JET LOGICOのライブだ。

日中も素晴らしいロケーションとデコレーションが融合していたが、夜になるとVJとデコレーションと風で揺れる木々の流れがあいまって、より幻想的な世界を作り出す。

寝てないくせに元気になった僕はまたフロアへと踊り入る。今ちょうどYoshitaka Shirakura がこの幻想的な世界に合わせた音をいい感じに奏でている。

Yoshitaka Shirakura at iLINX 2018

iLINX 2018

iLINX 2018

 

気持ち良く踊っているうちに、早くもヘッドライナーであるRobert Leinerの時間だ。

悔しいかなその時間に限ってカメラも携帯も充電が切れ、写真も動画も撮れなかった。しかしやはり長いキャリアを持ち、いろいろな国で無数のパーティーに磨き上げられたプレイは圧巻だった。職人感がハンパじゃない。ここまでの道中で見せていた優しくて笑顔の素敵な雰囲気とはまったく違い、真剣な眼差しで集中してプレイするその姿は男の僕でも惚れてしまう。

iLINX 2018

続くDJはSpace GatheringのMASAだ。男らしく武骨なテクノで、日本のパーティー・シーンの黎明期から活動を続けるベテランだけに懐の深さが違う。いつの間にか周囲はすっかり朝になっていた。

その頃フロアに到着したのはKo Umehara。彼とは少し前にあるパーティーで知り合い、そこから仲良くしてもらっているののだが……、こんな時間に到着とは随分と社長気取りだ。

「いやいや、ここに来る前に岡山の“DaMniT”っていうパーティーでプレイしてて、終わってソッコーで飛んできたんすよー(汗)」

おおお、それは忙しいですな♪  ちょうどそろそろカメラの充電も出来てる頃だし、Ko Umeちゃんの写真も撮りますよん!

フロアで踊っていると、後ろから誰かがこちらに目線で合図してくる。おお!? 変態ストーカーか! と思えば、Robert Leinerだ!!  僕の動きに合わせてリズムよく踊っているではないか。言葉は通じなくても、ダンスで心が通じあう。これこそパーティーの醍醐味じゃないか。

英語が話せない僕はRobertとのコミュニケーションが思うようにと取れず、道中では悔しい思いをした。でも、こうやって最終的には音楽というツールによって言葉の壁を越え、仲良くなったと思える瞬間がやってきた。別に勘違いでもなんでもいい。とにかく今、なんだかすごく嬉しい!!  こうやって音を知っている人と一緒に踊っているのは本当にアガる♪  やっぱり音楽って素晴らしい!!!!

そしてパーティー最後のDJ、Ko Umeharaが登場だ。

スペイシーでエッヂのあるテクノでフロアを揺らす。気づけばフロアには多くのオーディエンスが集まって踊っていた。

iLINX 2018

ラストということもあり、フロアのパワーが最高潮までアガる。オーガナイザーのタケちゃんが、最初に出会った渋谷の飲み会で「300人規模のパーティーが好きなんだよね」 と言っていたことを思い出す。

このパーティーは本当に音好きの集まりで、フロアのグルーブ感がとてもいい。今回のiLINXはスタッフ、アーティスト合わせると350人くらいが集まったということだが、この規模感の居心地の良さはピカイチだ。商業的ではなく、本当に音楽好きの人たちが楽しむためのパーティーを作っているのだなと感じた。僕もまた、300人規模のパーティーが大好きになった。

結局、土曜の朝から月曜の夜まで一睡もせずに3日間遊び続けた。普段ならそんなことは出来ないはずなのに、パーティー全体にオンとオフの時間がやんわりと区分けされていて、チルな時間帯に心と身体が休めていたのかもしれない。

今年、1番よく踊ったパーティーだった。音楽、デコレーション、スタッフ、参加者たち……どれも本当に素晴らしかった。知らないアーティストもたくさんいたが、僕にとってはたくさんの新しい発見があるパーティーだった。素晴らしい時間をありがとう。

JIROKEN iLINX 2018

iLINX 2018

iLINX 2018

iLINX 2018

 

 

* * *

 

後日、オーガナイザーであるタケちゃんと呑みに行った。簡単にインタビューをさせてもらったので、ここで紹介したい。

そもそもパーティーで遊ぶようになったきっかけは何だったんですか?

タケ:高校1年生のある時に、自分がDJやってる夢をみたんです。小〜中学生の頃にヘビィメタルのバンドはやっていたんですが、DJカルチャーとはまったく縁がなかったんです。自分が16歳の時はHIPHOPが最盛期で、テレビやラジオなんかのメディアの刷り込みのせいか、そんなDJプレイをしている夢を見ました。それがとても鮮烈だったので、同じ高校で唯一DJをやってる先輩に「教えてください!」って話しかけに行ったんです(笑)。そこからその先輩に、当時あったclub『Family』『NUTS 』『ROWDY 』『R?HALL』なんかのHIPHOP系の箱に連れて行ってもらいました。当時は風営法なんてなかったですから。そうしてパーティー人生がはじまりました(笑)。

小〜中学生からヘビメタ・バンド!っていうのも凄いですが、パーティーの入り口としては四ツ打ちではなくHIPHOPなんですね。このパーティーの”iLINX”という名前はどこからつけたのですか?

タケ:あるフランスの哲学者がiLINXという言葉の遊びがあると言っていて、それが昔子供の頃にバットにおでこをつけてバットを軸にクルクル何回か回ってから走るというぐるぐるバットという遊びがありましたよね。そうするとフラフラになる感覚になるでしょ。僕はそのフラフラになる感覚が大好きでその感覚で踊るという意味合いを込めてiLINXという名前をつけたんです。 遠心力による身体の傾きと視覚情報のズレによって三半規管がバランス・コントロールを崩してフラフラになります。その状態で踊るという意味合いですね。そういう状態になるまでダンスでトランスしてほしいと思っています。

全体的にとてもバランスの良いパーティーだったと思いました。どこまでしっかりと打ち合わせしたんですか?

タケ:今回のiLINXに関してはパーティーの一連の流れを通して楽しんで欲しいという強い想いがあって、音楽に関しては流れをある程度作らせてもらいました。アンビエントの時間を作ることによってコミュニケーションを取ったり、ゆっくり休んでもらう時間を作りました。デコに関しては軽い打ち合わせだけで僕らの言ったキーワードをアーティストの皆さんが形にしてくれました。

デコにはどんなキーワードを出したんですか?

タケ:今回はミニマルとサイケデリックというワードをテーマにしました。あのいろいろな所に転がっていたり、ぶら下がっているデコがミニマルなんだけど遠近感によってトバされる、そんな演出がありました。キーワードを元にアーティストの皆さんが最高な形にしてくれました。

あのデコが本当に素晴らしい異空間を演出してくれていたと思います。ところで、Festival Tripは”旅とパーティー・カルチャー”を紹介するWEBサイトなんですが、何か旅にまつわるエピソードがあれば教えてください

高校3年生の頃に、大槻ケンヂの『オーケンののほほんと熱い国へ行く』という旅行記を読みました。それまで旅行記というジャンルの読み物を読んだことがなく、「ひとり旅」「タイ」「インド」という未体験のワードに心踊りました。世の中にはこんな世界があるんだって、とっても楽しくなりましたね。そして、高校の卒業旅行で初めてタイへひとり旅をしに行きました。そこからまた1つ扉が開いてしまったという感じで、休みという休みはすべて旅に使いました。1年間の長旅に出たこともありますし、アジアを中心に15ヶ国以上の国々を巡りました。旅先で出会った強者たちからいろいろなことを教わりました。その1つが「レイブ・カルチャー」でした。そうして第2のパーティー人生がはじまりました(笑)。

なるほど、夢がきっかけだったHIPHOP中心のパーティー・ライフが、旅先でのレイブ・カルチャーとの出会いから現在のような四ツ打ちを基軸にした第2のパーティー・ライフに変わっていったんですね。とても興味深いお話でした。また機会があれば旅の話、パーティーの話などいろいろ聞かせてもらいたいと思います。では、最後にひとことお願いします

タケ:僕自身、野外パーティに関わらさせてもらって12年になりました。微力ながらこの経験をお世話になったシーンに、そして関わっている仲間のみんなに、感謝の気持ちを込めて、何か還元できるようにこれからも頑張っていきたいと思います。

どうもありがとうございましたm(_ _)m

 

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