[レポート] Mo:Dem Festival @ Croatia(前編)

Mo:Dem Festival 2018 @ Festival Trip
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texts, photos and movies by A-sk

日時:2018年8月6〜12日(月〜日)
会場:Donje Primišlje(クロアチア)

夏のヨーロッパのパーティーはポルトガルのBOOM FestivalとハンガリーのOZORA Festivalに参加したことがある。どちらも本当に最高だった。BOOM Festivalは2年に1度の開催だが今年はその開催年で、一方のOZORA Festivalにも友達クルーが大勢行くという話だから、この夏どのパーティーに行くか悩ましいところだ。さすがに仕事もあるので複数のパーティーをハシゴするのは難しい。

年に1つしか海外パーティーに行けないと考えると、まだ見たことのない場所がやはり気になる。昨年ヨーロッパのパーティーをまわっていた海外の友人は、1番楽しかったのはMo:Dem Festivalだったと言っていた。日本ではあまり馴染みのない名前だが、今年で開催7回目となるクロアチアのフェスティバルだ。会場は森や木々、湖や滝に囲まれた大自然の山の中で、世界各地のアンダーグラウンド・サイケデリックアーティストが勢揃いする1万人規模のパーティーだということだ。

Mo:Dem Festival 2018

どうせなら行ったことがない所に行っちゃえ〜〜!! クロアチアのMo:Dem FestivalへGo〜〜♪♪

8月6日(月)

ということで朝7:00、妻のアリサと渋谷のセルリアンタワー前からリムジンバスに乗り、成田空港へ。実はアリサは海外のパーティーに行くのが初めてだ。それどころか日本のパーティーにもほぼ行ったことがない。むしろパーティーを毛嫌いしていた。たまに家でテクノやトランスをかけていると、

「そんなバカな音楽は消して! 」

ってよく怒られていた。そんなアリサがクロアチアのパーティーなら行ってみてもいいと言い出したのは、たまたま彼女が実家に帰ったときにお母さんとの会話の中で、ジブリ映画『紅の豚』の舞台になったクロアチアのドゥブロヴニクってとこがすごくいいらしいから行ったみたいね、って話になったからだ。

このグッドタイミング、まさに神様の粋なはからいに違いない。この機会を無駄にしてはならぬ。今後のためにも、是非とも初参戦のアリサにパーティーの楽しみを味わってもらいたい。

10:15に成田空港を離陸。まずはポーランドのワルシャワ空港まで約11時間のフライトだ。ワルシャワ空港にはシャワー室があり、トランジットの乗客も無料でシャワーを浴びることができる。

男同士の旅ならこれくらいの時間でシャワーということにはならないだろうが、アリサがシャワーを浴びたいというので僕もサラッと汗を流す。予想以上にスッキリして、飛行機の疲れをリフレッシュできた。そのまま空港でトランジットの約2時間半を過ごした後、さらに1時間40分ほど飛んでようやくクロアチアのザグレブ空港へと到着。

時差の関係でザグレブ空港に到着したのは18:30ころ。まだ明るくて、夕方というより午後といった感じの日差しだ。荷物を受け取り、まずはお金を換金する。

クロアチアはヨーロッパだがユーロ(€)ではなく自国通貨のクーナ(HRK)を使う。事前にクーナに換金しておこうと思って日本の両替所にも行ったのだが、クーナに換金をしてくれる所は日本にはほとんどないようだ。成田空港でもできなかったため少し不安だったが、ザグレブ空港にある両替所にて日本円からクーナに簡単に換金できた。

クロアチアクーナ

余談だが、クロアチアはカード社会らしく、支払いはクレジットカードで済ませるのがデフォルトだ。僕たちもパーティー会場以外ではほとんどクレジットカードで支払いをしていた。ユーロも場所によっては使えるのでユーロ紙幣も少しあると便利。

空港からの足はリッチにレンタカーだ。日本からネットで予約したのだが、料金は8日間で3万円ほど。異国の地で自由に立ちまわれると思えば、かなり安い買い物だ。空港でレンタカーをピックアップし、いざMo:Dem Festivalの会場へ!

レンタカー、クロアチア

ザグレブ空港からMo:Demの会場までは約128キロ。iPhoneのGoogle mapでナビを会場にセットし出発。空港のまわりは田舎町なのだろうか。まわりになにもなく、運転しやすい。気づけばすぐ高速道路に乗っていた。

クロアチアの高速道路は日本よりもみんなが速度を出している印象だ。平均時速160キロで飛ばし、意外と早く1時間弱ほどで会場近くまで来ることができた。しかしMo:Dem渋滞だろうか、ナビの目的地点の約3キロ手前から渋滞がはじまる。ちょうど日没の時間帯で、あたりはすでに暗くなりはじめていた。

少し進むと案内人らしき人物が立っていたので、誘導されるままパーキングに車を停める。車外に降りて少し歩くと最初のエントランスがあり、そこでリストバンドを巻いてもらう。会場まではここからオフィシャルのバスが行き来しているようだ。

ナビの表示では会場まであと2.3キロ。バス待ちで並んでいる人もめちゃくちゃ多く、3回転くらいしないと自分たちの番まで回ってこないくらいの人数だ。みんな荷物がいっぱいあるから、実際にはもっと時間がかかるかもしれない。せっかちな僕はアリサに車で待っていてもらい、歩いて会場まで下見に行くことにした。

今回は海外パーティー初参加のアリサと一緒だし、とにかく快適な旅をすることを心がけていた。なんでもはじめが肝心だ。「もう一生パーティーなんて行きたくない!」なんて言われないようにしないと。

パーキングを越えて少し歩いていくと、遠くから音が聴こえてくる。すでにまわりはライトがないとマジで何も見えないくらい真っ暗闇だ。と、空を見上げると……、うおおおおおお、めちゃくちゃ星が綺麗じゃん!  無数の星々の間を流れ星がビュンビュン飛びまわってるじゃないか!

そのまま道を下っていくとオートキャンプサイトが見えてきた。凄い数のテントやキャンピングカーだ。上空には星が瞬き、眼下にはキャンプサイトの光が輝いている。

さらに歩き続けると、ようやく会場の入口に到着。中に入ってみると屋台や出店があり、ヨーロピアンとおぼしき白人たちが闊歩している。当たり前だがまわりは異国人ばかりで、今のところ日本人はひとりも見かけない。ヨーロッパのパーティーに来た感じがするなー、テンション上がるわーーー!

1番近いダンスフロアまで歩いてみると、すでにヨーロピアンたちがガンガン踊っている。アリサは駐車場の車中で僕の帰りを待っているはずだが……、まずはビールを買っておもむろに飲む! グビグビグビグビ……。

カァーーッ、美味いーーー!!

ビール片手にフロアを散策しながら、テントを張る場所を探す。フェスティバル初日だというのにもうテントサイトはいっぱいで、みんないつから来てるんだ!?ってくらい空き場所がない。

Mo:Dem Area Map

TimeTable Mo:Dem Festival 2018 _HIVE

TimeTable Mo:Dem Festival 2018 _SWAMP

TimeTable Mo:Dem Festival 2018 _SEED

上の会場図を見てもわかるように、Mo:DemにはHIVE、SEED、SWAMPの3フロアにSPIRALLABS(キッズ&アートスペース)をあわせた4つのフロアがある。しばらくうろついてるうちに、そのうち3つのフロアは発見できたが、メインであるHIVEフロアが見つからない。しかしアリサを待たせているからそろそろ戻らないと……。なんとなくテントを立てる場所の目処だけつけて、車に戻ることにした。

パーキングまで戻ると、バス乗り場にはさらに人が増えていた。こんなの待ってたら一生かかりそうだ。せっかくレンタカーで来てるんだし、車で下まで行っちゃおう。

半ば強引に下の会場まで運転し、入口付近で荷物をすべて降ろす。アリサに荷物を見てもらっている間に、車をパーキングに戻しにいく。

車を停めて戻ってくると、今度は2人で入場だ。入ってすぐ左側にトイレとシャワーがあり、正面にテントサイトが広がっている。先ほどの下見で見つけておいたギリギリの隙間になんとかテントを立てる。小さなテントを選んできて正解だ。大きなテントだったら張る場所がなく、荷物を持ったまま遠くまで彷徨わなければならなかったかもしれない。

とにかく基地ができてひと安心。アリサも眠そうだし、とりあえず今夜はこのまま寝るとしよう。

8月7日(火)

7:30 、少し暑くて目が覚める。テントの外に出ると雲もなくとてもいい天気だ。

昨日の夜は少し肌寒かったけど、日中は暑くなりそうだ。シャワーは目の前だし、とりあえず朝シャンでもするか。朝方はまだ誰もいなくて、すぐに浴びれるからいいね!

海外のパーティー・シャワーは温水が出ないのが普通で、水が冷たい。日があるうちに浴びておかないと、夜のシャワーは冷た過ぎて拷問だ。BOOMやOZORAに参加したときは夕暮れ時にシャワーを浴びに行き、30分以上、長いときは1時間以上も待ってシャワーを浴びていた。こうして並ばずにシャワーを浴びられるのは非常に嬉しい。ちなみにMo:Demではシャワー近くにテントを張ったおかげで朝と寝る前、1日2回もシャワーを浴びていた。日本にいるときよりむしろ清潔♪

体もきれいになったので、早速散策に出かけることにする。出店はまだチラホラ開きはじめたくらいで、出歩いている人も少なめだ。

SWAMPフロアに到着。音は鳴っているが、まだ人は少ない。フロアの横には湖があり、日が昇って暑くなってくるにつれて湖畔に人が集まりはじめる。みんな泳いだり、ゴムボートを浮かべたり、思い思いに水遊びを楽しんでいる。僕も喜んで入水したものの、水温が氷水のように激冷で、一瞬で岸にあがってしまった。唇は青く全身鳥肌状態だが、湖面から沸き立つ霧に午前中の太陽の光が反射している景色が美して見とれてしまった。

 

Mo:Dem Festival 2018

少し体を乾かし、SPIRALLABSフロアに移動。アートギャラリーやキッズエリアがあり、ヨガをしていたり、お昼寝していたり、チルしていたり……、みんな自由な時間を過ごしている。トイレが綺麗なのも印象的だ。みんながちゃんとルールを守り綺麗に使っている。そして、清掃のおじさんがだいたいいる。海外のトランス・パーティーでこのトイレの綺麗さはトップレベルかも。

湖の奥に山があり、そこから人が出てくるのが見える。なんだろうあそこは? もしかして上に何かあるのかな?

かなり急斜面の心臓破りの坂を上がり、さらにぐんぐん登っていく。どんどん人が降りてくるから上にもキャンプサイトがあるのか? 山の中腹にはThe Experimental Cinema という場所(映画館)があり、日中の今はゴロリと昼寝している人たちがたくさんいる。

まだまだ上がっていくとショップなどが出てきた。うわ、こっちにもまだまだあるんだねー。もしかしてこの上にHIVEフロアがあるんじゃない?

上がっていくとやっぱりHIVEフロアが現れた。うおおおおおっ、これがメインフロアのHIVEフロアか! 

森の中の木に幾何学的な、宇宙のようなデザインのデコレーション。迫力がすごい!!! 相当大きなスクリーンのようなステージ・デコレーションは他のパーティーとはまったく違っていて、まさにMo:Demならでは。感動と喜びがこみあげると同時に、Mo:Demにいるんだという実感が湧いてきた。

Mo:Dem Festival 2018

Mo:Dem Festival 2018

HIVEフロアの上の方には木々がたくさん生えていて、あちこちにハンモックがぶら下がっていた。僕らもハンモック吊るそうよ!

日本から持参したハンモックを取りに、1度下界へ降りることにする。下の出店ブースを歩いていると……、

「Hey!! A-sk!」

振り返るとデイナがいるではないか! おおー、デイナ!!

デイナはゴアギルの息子で、日本でBrainBustersというパーティーを主催しているほか、KojiroとともにRe:birth Festivalもオーガナイズしている。僕も彼とは日本のパーティーで一緒に遊んだり、もちろんRe:birthのイベントにも毎年参加している。デイナは7月頭からヨーロッパのあちこちのパーティーをまわっていて、Mo:Demが終わったら1度日本に帰る予定だという。 

実は日本を出国する前からデイナとはMo:Demで落ち合う約束をしていたのだが、会場に着いてみると電波が入らず携帯が使えない。どうやって会えばいいんだろうと心配していたが、意外と早く会えて良かった。

とりあえずうちらはハンモック付けに上に行くから後で湖らへんで合流しようよ! と約束してデイナと別れ、僕とアリサはハンモックを持ち帰ってHIVEフロアへ。1番上の方の木にハンモックを吊るし、こちらでも休める基地を作っておく。

HIVEフロア近くの出店をプラプラ見ていると、向こう側に見たことのある顔が。 マクラメやレザー・アイテムを扱ったSHOPを日本のパーティーで出店しているSunshine Spiritのマイちゃんとユウちゃんだ!  1ヶ月くらい前に僕の仕事(ヘアメイク)でマイちゃんのフェザーのアクセサリーを使いたくて、アリサを連れて工房に遊びに行ったことがある。凄くセンスの良い、トライバルなアイテムが揃っていた。

ユウちゃんマイちゃんのテントで少しゆっくりしていると、下でちょっと出店しようかな、ということになったので一緒に湖へ行くことにした。湖畔に商品を並べ、その近くでチルしていていると、デイナとも再び合流できた。

Mo:Dem Festival 2018

今回の旅はアリサにパーティーを楽しんでもらう旅でもあり、彼女が楽しんでなければ必然的に僕も楽しめなくなってしまう。仮にアリサが「楽しくないから会場を出たい」と言ったら、もちろん僕も一緒に出なければならない。

漠然とそんな心配はあったのだが、気がつくとアリサがだいぶ疲れた様子だ。どうした? 大丈夫? なんか具合が悪そうだ。休みたい?  酒でも飲みすぎたかな……。

テントはまだ灼熱で寝れそうもない。HIVEフロアへと上がって、先ほど吊るしておいたハンモックに横にならせる。普段こんな山奥には馴染みのないコだけに、急にはじまったクロアチアの山奥での野外生活に疲れたのだろうか。ハンモックで横たわりながらも、もうここを出たいと言い出した。冷房とベットのある静かな場所でゆっくりしたいと……。

がーーーん、マジか……( ̄д ̄)

まさかの1.5日目にしてMo:Demを出たいと言っている。うーーっ、まだ踊ってもいないのに……。

このままだと本当に出なければいけないテンションだ。とりあえずハンモックで寝かせ、僕はその横で座っていた。気づくとアリサはスヤスヤと寝息をたてている。目覚めたときに本当に出たいと言ったら……、残念だけど出るしかない。

夜は少し肌寒くなる。アリサを寝かせたまま、タオルケットを取りに1度テントに戻る。ついでにみんなのところに立ち寄ると、みんなも心配してくれて、アリサちゃん大丈夫?と。

うん……、とりあえず今はハンモックで寝てるよ。

みんなと少し喋りつつ、そろそろアリサのところに戻らないとなーとHIVEフロアに向かおうとしたとき、向こうからアリサが歩いてきた!

あれ!? アリサ、体調大丈夫!?

うん、大丈夫そー。なんか寝たらスッキリしたー。お腹すいたー。

おお、復活してるじゃん!!  良かったーーー。 さっきのあのテンションは本気で会場を出たいという雰囲気だったから、もう出なきゃダメかなと少し諦めていた。とにかく元気になってくれて良かった♪ じゃあ、とりあえずご飯でも食べに行こうよ。

みんなと別れ、2人で屋台ゾーンに行く。あ、ELFIK PIZZAがある! ポルトガルのBOOMでも、去年(2017年)行った米国のオレゴン皆既日食フェスティバルでも食べたピザ屋だ。

Mo:Dem Festival ELFIK PIZZA

ここのピザは僕がこれまでの人生で食べたピザの中で1番美味しいと思っている! 生地はお手製で薄く、絶妙にチーズと具材が載ったシンプルなピザだが本当にめちゃくちゃ美味い。

Mo:Dem Festival ELFIK PIZZA

この店はどんどん焼いて、出来上がった中から選んで買うというスタイルだ。ほとんど並ばずにすぐ買えるのも素晴らしい。

美味しーーい♪ とアリサもご満悦の様子だ。少し眠ったら調子も戻ってきたらしく、とりあえずここを出なくて良さそうな雰囲気だ。 僕はホッとしていた。内心良かったー♪♪って思っていた。

では腹ごしらえもしたし、夜のHIVEフロアにいって みよう。

楽しみにしていた夜のHIVEフロア。また心臓破りの坂を登りフロアへ。うおおおおおおおおお、すげーーーーー!! 音に合わせてレーザー光線とフルスクリーンの内側から放つ光とVJと3Dマッピングが全て重なり電飾の世界へと吸い込まれていく。

よく見てみるとデコの中心や所々にクリスタルや天然石が埋め込まれている。天然石のパワーも出ているではないか。これは体験したことのない感覚だ。まるで宇宙の中で踊っているかのような……。フロアとその周辺にはたくさんの人が集まっている。夜のHIVEフロアの爆発的なパワーは凄まじかった。

Mo:Dem Festival 2018

 

後編に続く……)

[レポート] Mo:Dem Festival @ Croatia(後編)

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