texts, photos and movies by A-sk
日時:2018年8月6〜12日(月〜日)
会場:Donje Primišlje(クロアチア)
(……前編からの続き)
8月8日(水)
日中は木陰でゆっくりしたり、湖で泳いだりといろいろな時間の過ごし方がある。湖の水も最初は足をつけても凍傷になりそうなくらい冷たいく感じたけれど、2回、3回と入っているうちにどんどん慣れてきて気持ち良く感じてくる。サウナの後の水風呂のような感覚だ。
友達と海外パーティーに行ったときは一生踊り続けている僕だが、今回はアリサと一緒だから日中はゆっくりした時間を楽しんでいた。こうやって過ごすのも最高だね。
19:00、SEEDフロアでCLAUDIO PRC & NESSの時間だ。今回、楽しみにしていたアーティストのひとり。SWAMPフロアでのテクノ・セットが聴きたかったが、今日はSEEDフロアでのプレイなのでダウンテンポらしい。まだ日が明るく、夕方の気持ちのいい時間帯だ。CLAUDIO PRC&NESSのプレイがゆっくりとはじまる。
SEEDフロアにはタープの下にゴザが敷いてあり、踊るというよりはゴロゴロと横になってchillしながら聴いている人が多い。CLAUDIO PRC&NESSを少し聴いた後、すぐ隣にあるSWAMPフロアに移動してみた。
SWAMPフロアはプログレッシブ、ベース、ダブ、ブレイク、テクノ……、などいろいろなスタイルの音楽が流れるオルタナティブな空間だ。個人的にはこのフロアの音がけっこうツボで、たまに地元のDJだと思うがめちゃくちゃカッコイイ曲をかけていたりする。
今、SWAMPフロアでプレイしているのはKNOBSだ。何年か前のRe:birthでプレイしていたのを覚えている。ガシガシなテクノにKNOBS本人がDJブースの中でガシガシ踊りながらプレイする姿はめっちゃアガる!!
KNOBSの音で踊り出す。そういえばアリサも踊っている。なんだか楽しそうだ。
KNOBSが終わったところでSEEDフロアに戻り、CLAUDIO PRC&NESSのラストを聴いてそのままHIVEフロアへ。今日のHIVEフロアのVJもまたまた昨日とは全然違う。音によって全然違うVJになるようだ。
アリサは少し疲れたというので、ハンモックで休ませてプラプラしていると、
「あれ!A-sk君じゃないっすかー!」
ん? 振り返ると……、あ、ガッキーだ。あと、GrasshopperのHATTAさんとSPECTRA SONICSのマサヤくんだ。てか、SPECTRA SONICSって聞いたことあるけど日本人なんだ? しかも爽やかな青年ではないか。名前のイメージ的にゴリゴリのドレッドの外国人かと思ってた(笑)。しかもマサヤくん出身が埼玉って……、僕と一緒なんだね♪ なんか親近感わくわー。
「さっき着きましたー! 明日DJなんで」
HATTAさんはいつも丁寧で、本当に人間が出来た人だなー。
明日はHIVEフロアで日本人DJたちのプレイが続く日だ。海外のフェスティバルで日本人アーティストがラインアップされているのは本当に嬉しい。日本人勢がプレイする時間帯が楽しみだ♪
8月9日 (木)
11:00、今日は朝から日本人勢のプレイを聴きにHIVEフロアに向かった。心臓破りの坂を登りHIVEフロアに行ってみると、昼とは思えないほどフロアに熱気がある。プレイしてるのはYUYAだ!
フロアで踊っているとドレッドの外国人に話しかけられた。
「Are you Japanese? I love YUYA’s music.His play is really cool!(おまえは日本人だろ? 俺はYUYAの音楽が大好きだ、彼のプレイは本当にカッコイイ!)」
「Yes!! He is my frend!!(うん!彼は友達です!)」
友達ではないがついつい言ってしまった(笑)。こんなに外国人にリスペクトされていると、なんだかこっちもすごく嬉しい!!
続いてDJ HATTAにバトンタッチ。やはり安定感のあるプレイだ!さすがGrasshopper代表!
そしてSPECTRA SONICS。帰りのザグレブ空港でも彼と会ったが、可愛らしい一面のある人懐っこい青年だった。しかしプレイ中はまったく別人のようで、勢いとパワーがある。
クロアチアでの日本人アーティストたちの堂々としたプレイは、僕にとっても刺激になった。彼らのDJ中にモデムヘッズたちがガシガシ踊っている姿を見て、なんだか自分も嬉しい気持ちになった。
もうすでにMo:dem のオーガナイザーから来年のオファーももらっているということだから、これまた凄いことだ。
HIVEフロアの音が一旦終わったので、下界のSWAMPフロアに行ってみるとデイナたちがいた。Mo:Demのパーティー自体はまだまだ続くが、僕とアリサは明日から別の町に移動して観光する予定になっていた。だから僕らのMo:Demは今夜で終わり。もちろん心残りはあるが、充分楽しめたとも思う。ただ、今夜は最後にみんなで踊りたい!
ご飯を食べたり、明日の身支度をしたり、日があるうちに出来ることをして、夜はみんなでHIVEフロアに踊りに行った。
僕らにとって最後の夜。デイナやリタ、その彼やクリスやちゃーちゃん……、夜はみんなで踊った。
ふと、アリサを見たらめちゃくちゃ楽しそうに踊っている! みんなで一体感を確認しながら踊る。もともと踊る気なんてないよと言っていたアリサが、最終日は4時間くらい夢中になって踊っていた。みんながいて、みんなで楽しさを共有するパーティーの楽しさを最終日に感じられたんだなと思う。
このMo:Dem Festivalという素晴らしい環境のパーティーが、初心者でも温かく包み込んでくれたのだろう。僕たちと遊んでくれたみんな、ありがとう!!!アリサと一緒にパーティーを共感できる日がくるなんて思ってもみなかった。
次の日の朝、僕たちはMo:Demの会場を出発し、その後の数日を観光で過ごした。ちなみにフェスティバルのあとに行ったスプリットとドゥブロヴニクはどちらも本当に美しい街だった。魚介を使った料理もとても美味しく、クロアチアに行くなら絶対立ち寄ってもらいたいおススメの場所だ。
最初はMo:Demに行くのをかなり不安がっていたアリサが、帰国後にまたMo:Demに戻りたいって言っている。
ヨーロッパのパーティーに行っていつも思うことは、本当にみんなが優しくて、ピースで思いやりがあって、笑顔に溢れているということだ。こんな世界がずっと続いたらいいのになって思ってしまう。だからヨーロッパへ必ず毎年TRIPしてしまう人たちもいるんだと思う(もちろん仕事や普段の生活スタイルが人それぞれあるので行ける人は限られるが)。
今回は音楽を聴いて踊るという時間がいつもより少なかったため、音楽についてのレポートはあまり書けなかった。でも、Mo:Dem Festivalというパーティーを存分に感じられたと僕は思っている。
規模感はBOOMやOZORAほど大きくはないが、意外とこのくらいのサイズ感がちょうど良く、フロアとフロアの間の移動距離も長過ぎず短過ぎずで歩き疲れないくらいだし、フロアの数も3つだから行く場所が限られていて遊びやすいなと思った。山の中だから木陰だらけで日差しが強くても逃げ場があるし、暑過ぎてもいざとなったら湖で泳げば良いから最高なロケーションと環境だ。
ひとつオチをつけるとすれば、帰国後にクレジットカードの支払いを見ると、3万円だと思っていたレンタカー代が保険やらなにやらで税込み5万9000円引き落とされていたことだ。しばらくは節約生活を続けなければならないが、クロアチアで過ごした日々はまさにプライスレス。もちろん後悔など微塵もない。
またいつか必ず戻ってきたいパーティのひとつになった。
次回参加するときは、HIVEフロアのあの宇宙のようなVJの中で踊り続けたいと思う。
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