texts, photos and movies : CHUN
日時:2019年2月8〜10日(金〜祝月)
会場:Hill Top(ゴア、インド)
“トランスの聖地” インドのゴアにて毎年2月に開催されている3DAYSフェスティバル、それがHill Top Festivalだ。
会場となるHill Top(ヒルトップ)は“ゴア・トランスの殿堂”とも呼ばれ、ゴアのアンジュナビーチとバガトールビーチとの中間地点、ややバガトール寄りにある。以前、Hill Topのニューイヤー・パーティーのレポートで紹介したとおり、ゴアで最も有名な老舗パーティースポットだ。ゴアの基本情報については、前回のレポートを参照してほしい。
Hill Top Festivalは、年末年始のニューイヤー・パーティーと同じく、近年のHill Topにおいて特に力を入れているパーティーだ。前回のニューイヤー・パーティーが最高に楽しめたので、次は2月のHill Top Festivalにも行ってみたい、と参加の機会を狙っていた。
ニューイヤー・パーティーの際は早い時期からラインナップが発表されていたが、今回のHill Top Festivalは日付こそ決まっていたが、ラインナップはなかなか発表されなかった。開催まで1ヶ月ちょっとと迫った2018年12月末、ようやくfacebookのオフィシャルページで第1弾の出演アーティストがアナウンスされた。
昨年14年ぶりに参加したドイツの老舗トランス・フェスティバルAntaris Projectでの記憶も新しく、近年、個人的によく聴いているイスラエルのAce Venturaが出演するということで、Hill Top Festivalへの初参加を決定。年明け早々、インド行きの航空券をポチっとインターネットで購入した。2018年のHill Topのニューイヤー・パーティーや5月に富士山の麓で開催されたGreen Magicでも熱いプレイを聴かせてくれたイギリスのTristanも、楽しみなアーティストのひとりだった。
Hill Top Festivalは毎年2月8日、9日、10日と日付が決まっている(来年以降は変更になるかもしれないので要確認)。ゴアでダラダラしたいのは山々だが、仕事を休めるのはほんの数日だ。
・2月8日(金)日本出発
・2月9日(土)ゴア到着→Hill Top Festival
・2月10日(日)Hill Top Festival
・2月11日(祝月)ゴア出発
・2月12日(火)朝、日本到着
往復の移動日も含めた全日程で5日間。Hill Top Festivalは2月9日と10日、2日間のみの参加……、今回のゴアも超短期間の弾丸TRIPだ。
その後、1月中にイギリスのRaja Ram(Shpongle)、Eat Staticなどが追加ラインナップされ、期待は右肩上がりに上昇。しかし2月になって発表されたタイムテーブルを見ると、なんと1番楽しみにしていたイスラエルのAce Venturaも、イギリスのTristanも、Raja Ramも、出演は初日の2月8日となっていた……。少々意気消沈してからの日本出発となった。
成田空港からインドのムンバイに飛び、ムンバイ空港でしばらく待った後、深夜のフライトでゴアへ。翌朝ゴア空港に到着し、空港内のタクシーカウンターからタクシーを利用して、インターネットで予約していたアンジュナのホテルに向かった。着後、チェックインを済ませ、ホテルの番犬に吠えられつつも、ラブホテルのような趣の部屋に入り、昼前まで寝て休んだ。
起床後、宿のフロントでバイクを借りられるかを確認。今はツーリストが多く、ホテルには貸出可能なバイクがないので、アンジュナ交差点で聞くように言われる。
早速アンジュナ交差点に行き、付近の土産物屋やバイクタクシーの人に聞いたところ、バイクタクシーのインド人がバイクを貸してくれると言う。正確な値段は忘れてしまったが、2日後に返却する約束で、1日あたり1,000ルピー(約1,600円)ほどで原付スクーターをレンタルした。バイクタクシーのインド人運転手にとって、いつ利用するかわからないお客さんの客待ちをするよりも、ツーリストに高値で貸したほうが稼ぎの効率が良いのだろう。
ゴアではリキシャやバイクタクシーも頻繁に見かけるが、自分の足があったほうが遥かに便利だ。1日あたり250~300ルピー(約400~480円)が相場のようだが、1週間、2週間、1ヶ月……と、長期で借りると割引してくれることが多い。長期滞在する人はいくつかバイクレンタルを当たってみるといいだろう。
前回も訪問した、バガトールとチャポラの間にある日本食レストラン「Sakana(サカナ)」で昼食後、バガトールビーチやアンジュナビーチを軽く散策した。
Hill Top Festivalは、正午12:00からはじまっていたが、何だかんだしているうちに、すっかり遅くなってしまい、Hill Topに入場したのは夕方前になってしまった。Hill Top Festivalの当日券は、3日間の通しチケットで、5,000ルピー(約8,000円)。2018年のニューイヤー・パーティーと同料金だった。
インドの物価からすると高額ではあるが、日本の物価で1日あたり3,000円未満、決して高い金額ではないだろう。前回のニューイヤー・パーティーと同じく、入場口でリストバンドを提示して入場。入口で簡単なセキュリティーチェックがあったが、リストバンドとバックの中身のチェックで、飲み物の持ち込みが禁止されている以外は、デジタルカメラなどの持ち込みは問題なく、厳しくはチェックされなかった。前回同様、再入場も可能だ。
入場口から少し歩いてメインフロアに足を踏み入れると、蛍光ペイントで彩色されたヤシの木と昔ながらのサイケデリックなバティックに、昨年以上にサイケデリックなデコレーションが映えるメインステージが見えた。まだ明るい時間だったこともあり、ヤシの木の生い茂るのどかな南国のお祭りに来た雰囲気で、小さな子供連れの大人もちらほら見かけた。
前回のニューイヤー・パーティーでは、メインフロアひとつのみだったが、今回のHill Top Festivalでは、Alternative Stageと名付けられたフロアがあり、ダウンテンポのトランスを中心としたチルアウト・スペースになっていた。寝転がって休んでいる人もいれば、仲間内で談笑している人たちもいた。メインフロアひとつでひたすら突っ走るパーティーも良いのだが、チルアウト・スペース、逃げ場のあるパーティーも、何だかんだで助かるのも事実だ。3日間に渡る長いフェスティバルなら、やはり休憩場所があったほうがいい。
メインフロアではロシアのXp VoodooからイスラエルのImagine Marsに交代するところだった。両名ともゴアのHill Topのパーティーでよくプレイしているアーティストだ。イスラエルのImagine Marsが、夕日から日没後のメインフロアをビルドアップしていく。
すっかり闇夜に包まれると、ブラックライトに怪しく輝くデコレーションと虹色のライティングが、のどかなお祭り会場からいつ宇宙人と遭遇しても不思議ではない異空間に、メインフロアを変えていった。
メインフロアでは、イスラエルのOutsidersが登場。彼らもゴアのHill Topのパーティーでよくプレイしているアーティストで、ダンスフロアをアゲにアゲていく。
Outsiders終了後、2日目のトリは、フランスの人力トランスバンド、Hilight Tribeだ。ギター、ベース、ドラム、ジャンベ、コンガ、ディジュリドゥなど、生楽器にこだわったライブに定評があるバンドだ。今回初めて彼らのライブを見たが、定番のサイケデリック・トランスとはまた違ったグルーヴィーな演奏・ライブで、なかなか楽しめた。またライブを見てみたいアーティストとなった。
Hilight Tribeのライブ終了後、22:00でHill Top Festivalの2日目は終了。最終日の3日目も楽しみだ。
(後編へ続く……)