texts : A-sk, photos : momo&A-sk, movies : Golgo Night
additional texts : SpaceCantar
日時:2019年8月23~25日(金~祝月)
会場:菅沼キャンプ村(利根郡、群馬)
(……前編からの続き)
■2019年8月25日(日)
深夜、日付が変わる少し前の23:40からGround AreaでDJ MIKUのプレイがはじまる。いよいよパーティーがクライマックスに向けて加速しはじめる。
が、僕は失くした“フネ”の一件でほとんど休むことが出来ず、ここから先の記憶が非常に曖昧だ。そこでレポート後半からは僕らの仲間であり、Festival Tripの熱心な読者にはお馴染みのKYなコスプレ野郎“スペースカンタ”に解説を任せることにした。
スペースカンタ、略してスペカンは、その見た目通りの気色悪い男だが、音楽……、特にテクノに関しては相当なオタクで、無駄に知識を持っている。いまこそ有効活用のときが来たのだ!
深夜01:30、DJ MIKUからLAアンダーグラウンド・テクノシーンを代表するTruncateへ。
【Truncate】01:30~03:20
夜も丑満時に近づいてきて、フロアには夜遊び慣れしている人たちが集まってきている。酔いも回ってるようで、動きもみんな激しくなってきた。
Truncateの任されている時間帯は1:30~3:20。オールナイトイベントでは1番のピークタイムと言える。今回のヘッドライナーということもあり、万全な状態で挑みたい。
軽く横になったこともあり、眠れはしなかったが、少し体力が回復した。これでTruncateのハードグルーヴについていけるだろう。
TruncateはLAミニマルテクノの代表格であるDrumcellと“世界最高峰のクラブ”と呼ばれるドイツのBerghainでプレイしていた盟友であり、現在はLAの地元レーベルDroid Behaviorを共同運営しており、2011年には自身でもTruncateというテクノレーベルを運営している。メインフロアでは本格的なテクノが難しい米国で、長年現在の地位を確立している名実ともにあるアーティストだ。
DJ MIKUからのパスを受け、スタートからヒプノティックで深く重厚なグルーヴを醸し出している。
ハードでミニマルな彼のグルーヴはアグレッシブでエネルギッシュなダンスをさせられる。ブレイクの時には、ハードな打ち込みとは正反対に神妙なシンセサイザーの音を使用し、耳を通して、音で脳を休ませてくれるような感覚だ。
最近のダンスミュージック情勢は世界的にハードなテクノが人気だ。No.1フィメールDJのNina Kravizを筆頭にAmelie Lens、Charlotte de Witte、AnnaなどハードテクノのフィメールDJが世界で大人気だ。みんなその端整な容姿からは想像もできない、BPM135オーバーは当たり前のハードなテクノをかける。前述のBerghainでもハードテクノが主流のようだ。
聞いた話だが、日本に遊びにきていた外国人が日本はハードテクノのクラブがないと嘆いていたそうだ。それほど世界的に人気があるにも関わらず、本場のベルリンに拠点を移すことなく、米国西海岸で活動しているTruncateはまさに米国代表といっても過言ではない。
アシッドでグルーヴィーな音とあいまって、ステージのデコレーションに映る妖艶なVJにも思わず引き寄せられてしまう。ENWAMADEのKatsuaki氏とLaserboyのSHINさんによるユニット、Kagerouによるヴィジュアル演出だ。たまにアシッド感を織り交ぜつつも、スポーティーでアッパーなグルーヴに身体を揺らさずにはいられない。
何時間経っただろう。Truncateの持ち時間は1時間50分だったが、時間から離れて忘我の境に入っていた。無我の境地という言葉が当てはまる、時間と空間を超越したセットだったのだ。
texts by SpaceCantar
03:20、Aniiに変わる。
【Anii】03:20~05:10
Truncateのアッパーなセットが終わる頃には夜も大分深まり、気温も下がってきていた。初日の夜ほどではないにしろ、Tシャツだけでは流石に肌寒い。
テントにマウンテンパーカーを取りに行き、少しお腹が空いたので、夜食にサイババキッチン アベンベの豚汁を飲みに行った。フロアではKompaktの新星、Aniiがはじまっている。アベンベの豚汁をすすり、暖を取りながら、遠くで轟くAniiのビートに耳を傾けていた。
Aniiの所属しているKompaktは1998年に創設されたドイツのテクノの楽曲を主にリリースしている老舗レコードレーベルだ。それだけに彼女の楽曲は世に聞かれる機会も多く、短期間で頭角を現してきている。
DJ Kozeや創設者でもあるウォルフガング・ヴォイト(Gas)、マイケル・メイヤー等のリリースが多くあり、 日本からはHiroshi Watanabe a.k.a. Kaitoが参加している。ミニマルテクノの総本山的レーベルであり、ディープミニマルからエレクトロ、ポップ、アンビエントに至るまでさまざまな良質な楽曲をリリースしている。
アベンベたちが楽しそうに交わすたわいもないトークを片耳で聞きながら、豚汁を食べ終える。心も身体も温まったので、フロアへと向かった。
フロアに着くと深夜にも関わらず、みんなエネルギッシュに踊っている。メロディックテクノを得意とする彼女であるが、深夜という時間帯もあり、ベースはMonika Kruzeを連想させる疾走感のあるテクノグルーヴがメインであった。BPMはピークタイムらしい130オーバーで、メロディックの良さを極限に引き出す為、セットの中に30分ほどの感覚でメロディック調のテクノを入れているのがわかる。
僕は正直、最近直球テクノは飽きてきていて、それでも彼女のアプローチの仕方の変化を集中して聴いていた。上音、ベースライン、交互にアプローチしてくるミックスに彼女の飽きさせないDJとしてのセンスを感じて驚いた。
彼女は2000年代後半に母国のポーランドを離れた後、ロンドンに行き、DJ、アーティストになることを決意した。16歳で偽IDを使用して、故郷ポーランドのビドゴシュチにあるナイトクラブ(今はなきセントラムだ)に忍び込みはじめて以来、ドラムンベースからはじまり、電子音楽に傾倒していくことになる。
2015年には自分のスタジオを設立し、そこで楽曲制作をはじめる。現在ではPolymath、Selador、Parquet、最近ではKompaktなどからリリースしており、世界で高い評価を得ている。
2017年2月、マイケル・メイヤーに招待されてKompaktチームに加わり、最初のリリース「Cyganka」はMixmagのTune Of The Monthに選ばれており、瞬く間に才能を開花させている。
メロディックテクノを味としている彼女だが、世界的なシーンの風潮ではメロディックハウス&テクノがジャンルとして確立してきている。大手ダンスミュージックサイトのBeatportでも近年、メロディックハウス&テクノというジャンルが加わった。
どんな音楽でもメロディがあるように、やはりメロディの聞きやすさというのはダンスミュージックを普段聴かない人でもわかりやすい。ただし、メロディが強い曲はたくさん使用するほどそのメロディの良さが失われてしまうことがある。美しい旋律が混ざってしまったり、埋もれたり、あるいは耳が聴き慣れてしまう。
だからこそ彼女が20~30分の感覚で入れていたところに、メロディックの良さを最大限活かせる方法をとても良く理解していることが伺える。その中でも、野外であることを忘れさせない、民族的な音や声、原始の魂を思い出させる曲を上手に盛り込んでくるのも彼女のセンスの良さの1つではないだろうか。
彼女のセレクトした曲で1番印象に残ったのは“Butch/Countach(Kölsch remix)”だ。人気のある曲で、使っている有名DJも多く、2018年のラビリンスではトリのDJ NOBUも使用していた。
originalではなくKölsch remixを使用してくるあたり、Aniiらしさをとても感じた1曲だった。
辺りも徐々に明るくなってきた。やはりメロディックは明るくなってくる時間帯が最も似つかわしく、情景と音楽がマッチする瞬間ではないかと僕は思う。
新しい1日がはじまる希望の時間。野外パーティーの醍醐味で、最高にポジティブにさせてくれる時である。
徐々に空も青くなってきて、雲が穏やかに流れる空を見上げながらいろいろなことを思い返し、感傷的になっていた。
texts by SpaceCantar
5:10、AniiからMAYURIへ。後日、ゴルゴさんが1番踊りやすかったと言っていた時間だ。
【Mayuri】05:10~06:40
Aniiは“Peer Kusiv/On My Mind”で約2時間のセットをエモーショナルに締めくくった。
休む間もなく、次はMAYURIが登場。グローバルアーク主催のDJ MIKU、Ken Ishiiなどと同様に日本のテクノ黎明期から活動を続ける、レジェンドの1人だ。さらに言えば、テクノに移る以前にはトランスのDJとして活動していて、ODYSSEYという名のトランス・パーティーをオーガナイズしていたこともある。まさに日本のトランス・シーンの黎明期にあたり、この頃活動していたトランスDJといえばメジャーどころではTSUYOSHIやDJ K.U.D.O.くらいのものではないだろうか。
僕がテクノを聴きはじめたのは2012年頃で、その頃通っていたパーティーがQ’HEY、MAYURIが主宰するREBOOTだった。 ちょうどBlockFMでREBOOTのラジオ番組「Radio REBOOT」がはじまったのもその頃で、テクノに夢中だった僕は、 毎週火曜日かじりつくようにラジオを聴いていた。
僕にとってMAYURIのテクノはルーツであり、彼女のセットを完璧なサウンドシステムが整備された野外パーティーで体験できるだけで、最高にアガる。時間帯も5:10から6:40。夜が明けて徐々に明るくなってくる僕の1番好きな時間だ。
いわゆるメロディックテクノと呼ばれるジャンルが、近年ヨーロッパを中心としたテクノシーンでブームとなっているが、 対極的に現在のシーンで最も盛り上がっているジャンルはハードテクノだろう。
REBOOTは移り変わる東京のテクノシーンにおいて、20年以上もハードテクノという軸をブレずに貫いてきた。その中心的な存在であるMAYURIの音楽性もまた、一貫性のあるもので、流行に左右されていない。
Aniiのメロディックな展開とは対照的に、1曲目から図太いベースラインがうなる、直球のハードテクノをフロアに投下。 段々と明るくなってきたフロアに、MAYURIのテクノが鳴り響く。淡々とハードなグループを紡いでいく、ダークでハードで少しサイケデリックな、彼女のテクノは正に野外レイヴにふさわしいサウンドだ。
texts by SpaceCantar
タイムテーブルが当初発表されていたものから1部変更になったが、変更後に加わったのが6:15からWood Landではじまる“イーサン朝のサイケデリックラジオ体操第一”だ。
Wood Landでは、続いてCHiE Nakajimaによるチルタイム。朝の自然の音や鳥の声とちょうどマッチしいて、風景に溶け込むようだ。
Ground Areaでは06:40、Kaoru Inoueがはじまった。
【Kaoru Inoue】06:40~08:30
MAYURIのハードな90分間のセットを終えて、Kaoru Inoueのセットがはじまった。
僕が最後に彼のセットを聴いたのは2017年のRainbow Disco Clubでのことだった。彼は2日目のオープニングセットを担当し、アンビエントから心地よい春の風を感じる素晴らしいセットを披露していた。
今回はオープニングではなく、ハードテクノの女王MAYURIの次の出番だ。どのようなアドベンチャーが繰り広げられるのか、ワクワクが止まらない。天気は良好、太陽もチラチラ顔を出してくる。絶好のKaoruさん日和だ。
一旦トーンダウンしてBPMを下げ、緩やかな彼らしい流れからスタートするかと思いきや、序盤からBPMは128前後をキープしており、近年の彼のセットでは珍しく早めで、MAYURIの流れからフロアのグルーヴを壊さないように丁寧なミックスを行っていた。
序盤では“Ron Trent/Atmosphere”をプレイ。彼らしい有機的な音の中にスペイシーなシンセが絡まる、僕も大好きなトラックだ。
このような楽曲を家で聴く度しばしば感じるのが、「野外パーティーで爆音で聞けたら超気持ちいいだろうなあ」という思いだ。正にエモーショナルな音楽こそ野外で聴くべきなのだと思う。
太陽光が樹々の切れ間から降り注ぐ中、最高に快適で気持ちのいいフロアが完成していた。バランス感のあるプログレッシブハウスを中心にInoueの選曲は続く。
中盤で“Joe Claussell/Disorganized Corruption”を投下。
皆さんご存知Joe Claussellといえば、日本だとBody&Soulでの来日が記憶に残っていることだろう。
天気は快晴、このようなロケーションで聴くNYハウスが気持ち良くないわけがない。ここから一気にファンキーな流れになり、快適なフロアから熱気が溢れるアツいフロアに変容していった。
毎年GLOBAL ARKでKaoru Inoueは僕らに特別な時間を与えてくれる。
聴衆の中には彼のプレイを「物足りない」「ライト過ぎる」といった意見を毎年聴くが、僕はいつもこの時間に1度顔を洗いに行ったり、歯磨きに行ったり、リフレッシュの時間にしている(もちろん基本的にはフロアにいるが)。
彼の透き通る、爽やかな風のような音を聴きながら歯磨きするのは最高に贅沢な瞬間だと思う。
GLOBAL ARKはオールナイトで最終日の昼まで続く。主催者側としてはどこかで1度リフレッシュしてパワーをチャージしてから、最後まで楽しんで欲しいのではないか、毎年Kaoruさんのプレイを聴きながらそう思う。
美しく透き通った菅沼を望み、Kaoru Inoueのセットを聴きながら歯磨きをする。間違いなくここでしか味わえない至福の時間だ。
パーティの楽しみかたは、無数に存在する、今年もまたKaoru Inoueにそんな一面を教えてもらった。
texts by SpaceCantar
8:30、Kaoru Inoueから“ゴッドファーザー” Tohru Takahashiへとつながる。パラダイスガラージのカルスマDJだった故ラリー・レヴァンとも親交があり、芝浦GOLDの立役者でもある。海外アーティストだけでなく、国内の重鎮アーティストのプレイにも触れられるのはGLOBAL ARKの魅力の1つだ。
タイムテーブルと時間の流れが完璧過ぎるほど気持ちがいい。10:10からバレアリック・スピリットの伝道者であるMUDD a.k.a. Paul Murphyにバトンタッチ。
【MUDD a.k.a.Paul Murphy】10:10~12:00
時間が過ぎるのは早く、気付けばPaul Murphyの時間だ。彼を生で見たことはないのだが、GAにラインナップされていたときはいささか驚きを感じた。しかもメインステージの大トリ、“テクノゴッド”Ken Ishiiの前というのは挑戦的なタイムテーブルと言わざるを得ない。
Paul Murphyの奏でる音楽はしばしばバレアリックとカテゴライズされる。バレアリックとは元々スペイン、イビザ島周辺のBaleares(バレアレス)諸島州が語源ではあるが、音楽的に明確な定義は存在しないと言われる。あえて形容すると、BPMは110前後、メランコリックでエモーショナルなシンセと開放感のあるボーカルが入ることがたまにある、そんな音楽だ。
よく来日するバレアリックのDJだと今年のRDCに参加したDJ Harvey、FFKTでのNick The Recordが記憶に新しい。Harveyは1日目のトリ、Nickは最終日のトリであったことを考えると、やはりこれらの哀愁を漂わせるバレアリック・ミュージックはクロージング・セットに配置されることが多い。
バレアリックというジャンルは元々イビサ諸島周辺、つまり海で生まれた音楽だが、日本の山奥で彼はどのようなセットを見せてくれるのか。Paul Murphyが今回Ken Ishiiにバトンをどのように渡すのか、非常に興味深い90分のセットがはじまった。
彼は最初からバレアリックにしては早いBPM120台からスタート。JazzやDiscoの要素を盛り込んだプレイは、真夜中とは打って変わって享楽的で、平和なフロアを作り出した。プレイ前半ではDisco感の強い、ファンキーなプレイだったものが後半徐々にディープに変容していった。
彼が “Boo Williams/Teckno Dorome”をプレイしたとき、フロアの雰囲気は徐々にディープなハウスからテクノの世界の扉を開こうとしていた。この曲のシンセ使いはKen Ishiiの楽曲にもつながるところがある。彼自身意識していたのかはわからないが、僕は期待に胸が踊ってしまった。
本来は海辺で聴きたい音楽ではあるが、それを山で聴くのもまた一興。今回のタイムテーブルは挑戦的だなと改めて思った。
texts by SpaceCantar
さて、今さらだがこのレポート後編で解説文を書いているスペカンが誰だかわからない人のために動画を1本載せておく。Paul Murphyがプレイ中のダンスフロアでひときわ気色悪い男がスペースカンタ、そして彼と喋っているOnchiの姿も映っている。
そしてこの後、クローザーを任されたKEN ISHIIの“Detroit Influence Set”へと続く。
【Ken Ishii】12:00~13:30
僕がテクノを聴きはじめて、このジャンルにのめり込んだキッカケはKen Ishiiだ。彼のDJを初めて体験したのは、記憶ではWire2012のステージだったと思う。その時のセットももちろん素晴らしかったが、個人的には2000年代初期~2000年中盤頃のKen Ishiiが一番好きだ。
“THE IBIZA DJ AWARD 2004”でウイナーとなり、名実ともに世界一のDJと称されるようなった時期のセットは今聴いても本当にカッコいい。特にWire2004のIshiiのセットは個人的にはベストセットで、YouTubeにもアップされているから、是非1度聴いていただきたい。
今回、GLOBAL ARKのラインナップにKen Ishiiが発表されたとき、驚きとともに興奮を感じた。彼がこのようなアンダーグラウンド・パーティーでプレイすることは非常に稀で、貴重な機会だ。その時点で僕は今年のGLOBAL ARKへの参加を決めた。
しかもクレジットには『Ken Ishii – Detroit Influence Set』とあり、否が応でも期待が高まる。あの頃のセットが聴けるのだろうかと期待が高まる中、最終日のメインステージに僕は向かった。
結論から言うと、ここ数年間で聴いたKen Ishiiのセットの中では個人的にベストだった。近年彼はヨーロッパでのプレイが多く、日本ではあまりお目にかかれないが、YouTubeなどで彼のセットは常にチェックしていた。それらのプレイももちろん素晴らしいが、今回のセットは彼のルーツでもあるデトロイトを中心としたストイックなものだった。
BPMは126~128程度だろうか。最近のセットに比べるとやや遅めで、彼のデトロイトセットに合わせたセットアップになっていた。Ken IshiiらしいEmotionalな音色とデトロイト文脈のテクノが重なり、終始素晴らしいグルーヴを維持していた。これぞテクノゴッド。
終盤彼がデトロイト・テクノ往年の名曲、正にクラシック中のクラシック “DJ Rolando/Jaguar”を投下したタイミングでフロアのボルテージは最高潮に。この曲はDJ Rolandoが1999年にデトロイトのレーベルUnderground Resistanceからリリースし、同レーベルで最もヒットした名曲だ。
約20年前の楽曲だが、本当に良い音楽は時代を超えて人の心を引きつける。Ken Ishiiのセットは自身が影響を受けたデトロイト・テクノを自己流に完璧にミックスしていた。あとはKen Ishiiの代表曲である “Extra” を聴きたいところではあったが、今回はプレイしなさそうだ。
フロアが最高の盛り上がりを見せる中、Ken Ishiiの90分間のセットは終わった。踊り足りないクラウドからは当然アンコールが要求され、彼はそれに応えてラスト1曲を投下。
内心 “Extra” を期待していたが、彼の選択は彼自身が2008年にリリースした “Organized Green (7th Gate Remix)” だ。意表をつかれたが、クロージングの1曲としてはベストな選曲だろう。とてもエモーショナルな曲で、正に締めくくりにふさわしい幕引きとなった。
この曲は「Daybreak Reprise -Sunriser Remixed-」に収録されているので、是非GAに参加された皆さんにも聴いていただきたい。
野外フェスティバル、それもGLOBAL ARKのような洗練されたアンダーグラウンド・パーティーでKen Ishiiのセットが聴けたことは忘れられない夏の想い出となった。
また来年以降も出演して欲しいな、と個人的に思うのだった。
texts by SpaceCantar
天気は3日間すべて晴れ。
緑豊かで澄んだ空気と青空の中、サウンドシステムも素晴らしく、オーディエンスたちは存分に楽しんでいたのではないかと思う。客層も昔からパーティー慣れした人たちから若い人まで多種多様で他のパーティーでは見かけないような顔も散見した。
ノースポンサー、完全DIYでここまでクオリティの高いパーティーが実現出来るのは驚きでもあり、希望でもある。次回もまた、素晴らしい体験を共有させてもらいたいと思った。
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