日時:2017年9月8日
会場:西川口Hearts(西川口、埼玉)
※諸事情によりライブ映像は非公開にいたしました。文章はそのまま、映像部分は写真に差し替えてあります。読者の方々にはご不便をお掛けして本当に申し訳ありませんm(_ _)m
君はエコ怪獣を知っているか?
金曜日の夕方、数ヶ月ほど前に知り合ったS氏とともに久しぶりに京浜急行線に乗り、西川口駅で下車。健全な殿方ならご存知だろうが、この辺りはかつて“NK流”の名とともに日本全国に知れ渡っていた土地だ。実は自分も数年の間、隣りの川口駅周辺に住んでいたことがある。
しかしこの日はもちろん、そっち方面の探索にやってきたわけではない。S氏に誘われてエコ怪獣のライブを体験しに来たのだ。
エコ怪獣とは何か? 前知識はほとんどない。S氏の話によれば、それはいわゆる“地下アイドル”の1グループだ。ちなみにS氏はもともとパンクやハードコアの出身で、以前はダイブやモッシュで世間に歯向かっていた男だ。アンダーグラウンドカルチャー(地下文化)には精通しているのだろう。その男と2人、ほとんどお客の入っていないファミレスでしばし時間を潰した後、夕暮れ時に差し掛かった頃にライブハウスへと歩き向かった。
会場となる「西川口Hearts」は洒落た外観のライブハウスだった。ガリバリウムの外壁に、正面はガラス張り。外から見るぶんには、カフェか美容院といった雰囲気だ。通りに面して『エコ怪獣軍団』と書かれた看板が立ててある。うぬぅ・・・、ただのエコ怪獣ではなく、軍団なのか。よくわからないが、恐らく油断は禁物だ。
開演時間が近くなると、続々とお客さんが集まってくる。圧倒的に中年男性が多いが、ちらほらと女子も見かける。ほとんどが常連客か顔見知りのようで、そこここでお客さん同士が談笑している。とにかくみんな、凄く楽しそうだ♪
ぶ厚い扉を抜けて奥のライブスペースへと入っていく。フロアは正方形よりやや横長で、正面がステージになっている。入口近くはTシャツや生写真、CDなどが並んだ物販スペースだ。物販の一番人気はチェキ撮影。S氏の話では好きなメンバーとツーショットでサイン入りのチェキが撮れるうえ、1分間ほど一緒にお喋りが出来るという! なんという素晴らしい応援システム! 実際、撮影待ちの列が出来るほどの盛況ぶりだ。
いつの間にかメンバーが物販スペースから姿を消し、フロアの照明が暗くなる。いよいよライブがスタート!
ステージ衣装に着替えたメンバー4人が揃って登場し、おもむろに歌いはじめる。1曲目から勢いが凄い。先ほどまで和やかな談笑ムードだったお客さんも最初からノリノリだ。メインボーカルのリリィちゃんが笑顔で客席を煽ると、「Oi! Oi!」と拳を突き上げる! COBRAやSTAR CLUBなど往年のOi パンクを彷彿とさせる好反応だ。S氏もフロア後方で「Oi!」と右腕を突き上げているではないか!
そういう自分も1曲目が終わらぬうちに、いつの間にかフロア最前列へと引き寄せられていた。意外なことにステージ前の最前列は女子たちによって占められている。もしかしたらレディファースト的な暗黙の了解があるのかもしれないが、こちらは初参戦なので遠慮なく最前列中央に陣取らせていただく。
メンバー全員で1曲目を歌い終えると、2曲目からは各メンバーがソロで歌声と振り付けを披露していく。ひと通りソロが終わると、またメンバーが揃ってのライブだ。
ここでエコ怪獣について、wikipediaから少し引用しておく
エコ怪獣(エコカイジュウ)は、日本のアーティスト。2012年4月1日に結成。エレクトロロック音楽を主軸に、芝居とダンスを加えたパフォーマンスが特徴。2016年1月発売シングルCD「サササササ / 大きな魚」オリコンデイリーランキング最高10位、タワーレコード全店1位を獲得。2017年4月1日より体制を変え「E=えいえんに C=かわいい O=おんなのこ」をコンセプトに5人組エレクトロポップユニットとして活動を開始。プロデュースは初代ボーカルのボス、楽曲はヴィーナス・シンコ。
(出展:wikipedia)
※ 当日撮影したライブ映像をいくつか載せてあるが、こんなにいっぱい観れないよ!という人は、せめてこのすぐ下の【エコ怪獣 EcoKiju_03 】の『彗星らいだー(09:30〜辺り)』と『戦う白黒スウィーツ(15:04〜辺り)』だけでも聴いてみて欲しい。それぞれS氏と自分のお気に入りだ。
どうやら現在のメンバーは3代目にあたるようだ。そして、エコ怪獣とは人間界の悲しみを食べる生物ということらしい。この日は『女神祭』ということで、エコ怪獣の楽曲をすべて制作し、ステージの脚本・演出も行っているヴィーナス・シンコ氏(女神)の誕生会(?)でもあったようで、途中でそれらしきパフォーマンスもあり会場は大いに賑わった。
エコ怪獣のライブはエンターテイメントだ。歌あり、踊りあり、笑いあり、芝居の要素もあり、物販を通じた交流もある。現実の世界から微妙にスライドしたパラレルワールドのような時空だった。最初から最後まで、圧倒的なポジティブさで突き抜けていく。ヴィーナス・シンコの楽曲はどれもポップでキャッチー。初めて聴くのに何故か口ずさんでしまうような、スッと耳に溶け込んでくるような曲ばかりだ。
音楽の定義が”音を楽しむ”ということなら、間違いなくこの会場は音楽に満ちていた。小難しい話は抜きにして、歌い手と聴き手は一体となって純粋に楽しい空間を創りあげ、それを共有していた。まさにトランス黎明期にDIY精神によって創りあげられた多くのパーティーがそうであったように。
もし今後悲しみに暮れるようなことがあったら、悪いことは言わない、エコ怪獣のライブ会場へ行くことをお勧めする。チェキの1枚でも撮り、彼女たちのライブを堪能することだ。エコ怪獣は必ずや君の悲しみを食べ、笑顔で満たしてくれることだろう。そして帰り道、自分でも気づかぬうちに「すいせいらいっだ〜〜〜♪」と口ずさんでいるはずだ。
エコ怪獣のLIVEスケジュールなどはエコ怪獣オフィシャルサイトへ。