【太陽と風のダンス2(後編)】にはSOLARIS FESTIVALとリオのカーニバル、サルバドールのカーニバルを収録してある。
リオのカーニバルは言わずと知れた“世界で一番有名”なダンスの祭典だ。
音楽とダンスは、リオのカーニバルのあらゆる場面に結び付いている。最も有名なダンスは、かつて奴隷たちが海を越えてアフリカからもたらした、サンバである。サンバは、アフリカ系奴隷たちによって、ブラジルの街頭の音楽であるショーロなどを混ぜ合わせて生み出された。サンバは、カーニバルのダンスとして人気が高いだけでなく、主な都市の外縁部に広がる貧しい集落でたいへんな人気がある。(中略)
パレードとダンス・パーティー、さらに街頭のカーニバルが結び付いたリオのカーニバルは、「地上最大のショー」とも言われている。『リオデジャネイロ・ハンドブック』が記しているように、「リオのカーニバルは、おそらく世界で一番有名なパーティーであろう。
(出典:Wikipedia)
動員数をみてみると、過去最高を記録したとされる2016年で2月7日、8日の両日とも12万人だったと報じられた。これは例えば、ざっくり “100万人” と言われるドイツのラブ・パレードや1999年7月31日に千葉・幕張メッセ特設ステージで開催された「GLAY EXPO 99 SURVIVAL」の20万人などと比べると、明らかに少ない感じがする。
もっとも12万人(2日間で24万人)というのはパレード会場に来場した観客と参加者の人数だから、会場の外でカーニバルを楽しむ人の数を入れるとこの10倍くらいにはなるだろう。いづれにせよ、カリオカ(リオの住人)たちのカーニバルにかける情熱は凄まじく、1年の残りの期間はすべてこの日のためにあるとも言われている。
バイーア州の州都であるサルバドールでのカーニバルもまた、盛り上がりが凄い。リオのカーニバルがどちらかといえば“踊り手”と“観客”とに分かれているのに対し、サルバドールでは誰もが躍り手であり参加者であるという印象を受ける。よりワイルドで、バイオレントだ。
サルバドール随一の観光地であるペロウリーニョ Pelourinhoから続くサン・アントニオ SantoAntonio地区で『なお宿』を経営するNAOYAは、毎年旅人を集めて太鼓隊 “ナタカトシア” を結成し、カーニバルにゲリラ参加している。また、U2やManu Chaoなどがサルバドールのカーニバルで演奏したとの逸話も残っている。
一方、サンパウロではこの年(2005年)、バスで5~6時間ほど離れた郊外でSOLARIS FESTIVALが開催された。アーティスト陣はGMS、ASTRIX、James Monro、SUB6、PSYSEX(この頃はまだAce Venturaとして活動をはじめる前のYONIがGOBILINの相方として電子ドラムを叩いていた)、そして変わったところではエレクトロ・ロッキン・ハウスなTim Healeyなど、豪華で多彩なラインナップだった。
しかしもちろんこのフェスティバルでも主役となるのはアーティストではなく、集まったクラウドたちだ。サンパウロから近いということもあり、若干コマーシャルな雰囲気が漂うフェスティバルではあったが、クラウドたちの踊る情熱はUniverso Paralelloにも劣らぬものがあった。映像上でもSOLARISのパートは、このDVD作品の大きなクライマックスだ。
夏のヨーロッパも好きだが、ブラジルも大好きだ。サンパウロ近郊やミナ・ジェライス Minas Gerais、トランコーソ Trancoso、アハイアル・ダジューダ Arrial D’ajuda、アルトパライソ Alto Paraiso、南部のフロリアノーポリス Florianópolisなど、さまざまな場所でたくさんのパーティーが開かれる。しかしその中でもやはりUniverso Paralelloは特別なパーティーだし、そのUniverso Paralelloで、2018年にはYAMATOが、そしてそれ以前にもHATTAやDISC JUNKEYなど日本のDJたちがプレイしているのは嬉しい限りだ。
俺もまたいつか、近いうちにブラジルを再訪するだろう。この映像に映っている仲間たちや、映っていない仲間たちに会いに行くだろう。そしてまたアサイでも食べながら、熱く広大な大地の上で踊るだろう。
では、またゆっくりと映像の後編を楽しんでもらいたい。
Life is a Trip, a Festival Trip.
【太陽と風のダンス2 (後編)】
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