[レター] a letter from IBIZA, VOL.6 (written by HIDEYO BLACKMOON)

この色です!私が魅了されてやまないのは
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texts and photos : HIDEYO

日時:2020年11月吉日

皆さん、ご無沙汰しております。前回は「a letter from…」シリーズではなく、「特集:Life under COVID-19」の記事の中でコパンガンからレポートさせていただきました。その後ですが、世界一周は中止してタイでリタイアメントビザを取得し半年滞在した後、結局イビサに戻って来ました。

[ Life under COVID-19 ]タイ THAILAND (KOH PHA NGAN)

ミャンマーでビザラン(隣の国に一旦出て出国入国スタンプを押してもらいビザを延長すること)をしてコパンガンに戻って来た数週間後の4月10日前後、タイ政府は最初は条件付きで(自国の大使館からの手紙が要の書類だったのですが、これにはお国柄が非常に出ていて、イスラエルなどはオンラインで即刻プリントアウトできるようになっていたのに対し、日本の大使館は電話やメールを何度しても何が何でも出してくれませんでした)、1ヶ月ほど経つと無条件でツーリストにビザの延長をしてくれることになりました。

最初は4月末まで、その4月末が来ると今度は7月末まで延長され、最終的には9月26日まで延長されたので、リタイアメントビザを取得する必要もなかった…、といえばそれまでですがそれは結果論であって、毎回、出なければいけない日程が近づき、慌てふためいて出る準備やら、もしかしたらまた伸びるんじゃない?いや、伸びない、今回こそ出なくてはいけない、などの情報で自分の行動や行き先が決められないというのもストレスだったと思うし、何より取得した時は、これも何かの運命だわ、と住む気満々だったからそれはそれでよかったと思います。

 

コパンガンの夕日と海。毎日、夕日の美しさは格別でしたパンガン島のサンセット

 

タイのリタイアメントビザは50歳以上なら取れますが、タイ国内で仕事をして収入を得ることは出来ません。有効期限は1年3ヶ月。15万円ほどビザ取得会社に支払えば、日本で取得するよりも面倒がなく、準備しなければならないまとまったお金(タイに銀行口座を作って200万円ほど送金しなければなりません)も必要なく、銀行口座を開くだけで取得できました。2回目以降は有効期限1年で、ビザ取得会社に支払う金額もちょっと少なく10万円程度だったように記憶してます。ツーリストビザで2ヶ月毎にいちいち国外に出ることを考えると、まあ同程度なんではないでしょうか?

4月までは厳しかった新型コロナによる規制も5月には少しだけ緩んでいたので、5月~6月初旬にかけてはさまざまなヒーリングセッションを受けたり、友人たちとレストランに行ったり、行動範囲が西側の海岸沿いだったので毎日のようにサンセット見に行ったり、自宅での筋トレに励んだり、新曲を作ったり、新しいミュージックビデオを撮ったり……と充実の日々を送っていたのですが、6月の半ばになってヨーロッパの事情(6月21日付でロックダウンが解除され、シェンゲン間の行き来は基本的に自由)を目の当たりにしていくにつれて、ちょっと帰りたいかも?という気持ちが湧いて来ました。同時に、バンコクでいろいろな施術三昧したいなぁという思いもあったので、調べてみると日本の整体とか、バイオハッキングなトリートメント系とか、都会らしくいろいろと揃ってるんですよね。コパンガンには、なんというか、もっと目に見えない系の精神や気、エネルギー的に効くようなタントラヒーリングだとか、チャクラヒーリングだとかが充実していたのですが、もっとフィジカルに効くこともしたくて……。

 

コパンガンで撮影製作した新しいミュージックビデオのワンシーンパンガン島で撮影した新しいMVのワンシーン

 

そんなこんなで、どうしようかなぁと思いつつ、まだ決めかねていた6月後半のこと、ビーチ沿いのレストランでサラダを食べていたときです。ガキッとものすごい音がして、なんか、いやーな予感がして、吐き出してみると……。なんと奥歯が欠けて出て来ました。まぢかーー!?? それを見た瞬間、「あ、バンコク行けってことかな……」と思いました。

一応、コパンガンのものすごく腕の良い歯医者さんというのを教えてもらって電話しましたが、予約ができるのは3週間も先だということ。というわけで、コパンガンに戻ってくるかもしれないし、このままイビザに帰るかもしれないしという感じで荷造りをはじめたところ、戻ってくるのも面倒だし、これは帰ってこないかも……、という感じで、皆に挨拶して、所持品をいろいろと(住むつもりだったのでだいぶ増えてました)友人たちに分けて出発しました。

 

 

その後、バンコクで過ごしている間に『なんでヨーロッパなんかに帰るんだ? こっちの方が安全なのに?』と毎日誰かに諭されて、しかも7月に入ってからというものタイでは新しい感染者が出ていないということで、コパンガンではすっかりパーティーが復活して面白くなっている最中で、タイは物価も安いし、バンコクなんて日本食がめちゃくちゃ揃ってるし、オッシャレーな銭湯まであるし、こんな居心地の良い場所なのに『なんでイビザに帰るんだ、私……?』自分でも自分がなぜそうするのかよくわからず、ものすごく悩みつつ、それでも結局7月末にイビザに戻って来ました。

 

機内から見たイビザ。島のアイコン、エズベドラがお出迎えしてくれてます機上からみたイビザ、島のアイコンであるエズベドラが迎える

 

バンコクからドイツのハンブルグを経由し、そこからイビサへのフライトの機上で上空から地中海のその蒼さを見た時、思わず涙が出て来て、帰って来てよかったーーと思ったのです。なんだか、お家に帰って来た…、ホッとした…、というのですかね……。意外にも自分がここをホームだとしていることを実感した瞬間でした。

帰って来てからというもの地中海のクリスタルクリアな海をエンジョイしまくっています。これがコパンガンの海には欠けていたことというか……。潜った時の透明度がまるで違うんですよね。コパンガンの海ではサンゴ礁とかがあるし、魚もカラフルで水温も高くて、それはそれでよかったし楽しかったんだですが、私はこのクリスタルクリアなキーンと冷たい海と岩場が好きです。とはいえ、その時はもう7月末で水温も上がってるはずだというのに、水が冷たいと感じたのはタイの水温に慣れちゃってたんでしょうね。コパンガンでは、サンセット時にはもう、ぬるま湯のようでしたから(笑)。

 

透明でまるで宝石のよう。キラキラです

着いてすぐに向かったビーチ。ほっとしました。イビザのクリスタルな海

 

イビザに戻って来た当初、ビーチに行くとヨーロッパ各国から来ているであろうツーリストがものすごく多くてびっくりするほどでした。クラブ目当ての若いツーリストが減っているとはいえ、家族やグループで長めのバカンスに来ている人たちが増加していたようで、ボートもものすごく多く、レストランは異常な賑わいを見せていました。いつもヨーロッパ圏外に夏のバカンスに行くような人たちが、新型コロナのおかげでヨーロッパ内に留まらねばならず、そのバカンスの行き先として地中海の島々が選ばれるのは至極当然なのかなと思います。

 

島の北部のメジャーなビーチですが、ちょっと人が減りだした頃です。

 

また、なぜかフランスが中南米などの国々からの旅行者も自国で受けたPCRテストが陰性であれば全面的に受け入れていたこともあり、フランスなどのそういう緩いヨーロッパ圏の国を一旦通って他の地域にまで流れ込んでいるケースも見受けられました。そんなこんなでスペインでは感染者が増え、8月中旬過ぎごろ、今度はフランス含む西ヨーロッパの国々で、スペインからの旅行者・帰国者は14日間の自主隔離をしなければばならないという決まりが出来て以来、その翌週から旅行者は激減しました。イビザ老舗4大クラブのうちの2件、Privilegeと Amnesiaが倒産したというニュースも飛び込んできました。

 

エズベドラが正面に見えるカラ・ドーットビーチ。ここもボートとツーリストでいっぱいでした。水綺麗でしょ。

ボートが多いです

 

実は今年、イビザではパーティーがまったく開催されていません。大型クラブは全部閉めなくてはいけなかったし、10人以上(今は6人以上と規制が強くなりました)が集まることやダンスは禁止になっています(プライベートのハウスパーティーでも罰金が科せられます)。

私は行かなかったのですが友人の話によると、ある老舗パーティーではテーブル予約制で、自分たちのテーブルから友人グループなどがいる他のテーブルに行くことは出来ず、大音量のダンスミュージックがなる中、だからといってそこで立って踊ることもできず、席に座っていなければならないという状態だったようです。だったら、行きたくないですよね(笑)。 

ハロウィンのお祭りも例年に比べるとだいぶ街は閑散とした感じでした。

 

日曜日のみんなのミーティングポイントだったサンホアンマーケットも人が疎らで、この翌週くらいに開催されなくなりました。

 

先ごろ、屋外でも2メートル以上の感覚が取れない場合は喫煙禁止、飲酒も禁止となりました。レストランテーブル席はテラス屋外席のみの営業、6名までで、テーブルの間は1、5メートル以上離さなければなりません。一応、公道やお店の中ではマスクを着用しなくてはいけませんが、私の場合はほぼ車で移動して、食料品の買い物をするときに着用するくらいなのでもう慣れました。幸い、唯一出かけるビーチではマスクなしが認められています。

レストランテラス席

 

エンターテイメント、パーティー業界で仕事をしていますから、私を含め、仕事が激変・激減した友人たちはたくさんいます。私個人としては、シーズン中の毎週2、3日ほどのイビザでのギグがなくなったとはいえ、世界各地で毎週ギグをやってたわけではないし、さほど他の人たちのように大きな影響は出ていません。娯楽でレストランやらパーティーに出かけることもほぼないので、自炊したり、自然の中で遊んだり、音楽製作などでシンプルにやってます。

 

お隣のフォルメンテーラ島との間にある無人島エスパルマドールまでセイリング

 

そして実は、クリエイティブエージェンシーをやりたいという天才肌なメキシコ系アメリカ人の友人を4年近く前に手伝って東京で会社を立ち上げたのですが、コロナの影響もあって今までの仕事がなくなり、私的にはずっと任せて放っておいた会社業務でしたが、その友人は趣味で3ヶ月前にビデオゲームを製作しはじめていて、そのクオリティが趣味でとどめておくのはもったいないぐらいの出来なので、完全に会社業務をこのビデオゲーム制作に切り替えることにしました。なので、その音楽制作などでちょっとは忙しくなって来ました。

 

game

game 2

 

このゲームは16〜17世紀、スペインがアメリカ大陸を侵略に来たメキシコが舞台で、マヤの人々、アステカの人々、そして征服に来たスペインの人々、3者の物語になります。このゲーム製作者の友人は、シリコンバレー、ニューヨーク、ITバリバリのビジネスマンを経て、10年以上トラベラーも経験し、マヤの遺跡近くにエコビレッジを創ってそれを売った後、東京に移住したという経歴の持ち主。マヤ遺跡にも詳しく、スピリチャルとクリエイティビティ、テクノロジーのセンスを併せ持ち、その知識と豊富な経験からかつてなかったようなゲームになると思います。

 

ゲームの進行状況を伝えるfacebookのページも開設後1ヶ月ほどでのフォロワーが1万人に届く勢いで、主に米国や南米などを中心に各地から注目を集めています。今後、キックスターターで資金を集めるつもりです。なにせものすごい数のアーティスト、クリエーター、ライターやらプログラマーが必要なのです。ゲームキャラクターになれる抽選や特典もあったりするので、よかったら皆さんも応援してくださると嬉しいです

 

◾︎ Mictlan The Game
https://www.facebook.com/mictlanthegame/

 

キックスターターのページにもにも登録していただけると嬉しいですし、サポートになります。どうぞよろしくお願いします。

https://www.kickstarter.com/projects/mictlanthegame/micltan-the-video-game?ref=clipboard-prelaunch

 

というわけで、またレターフロムイビザでお届けしてまいりますねー。

 

[レター] a letter from IBIZA, Introduction

[レター] a Letter from IBIZA, Introduction 2

[レター] a letter from IBIZA, vol.1 (written by HIDEYO BLACKMOON)

[レター] a letter from IBIZA, vol.2 (written by HIDEYO BLACKMOON)

a letter from IBIZA, vol.3 (written by HIDEYO BLACKMOON)

[レター] a letter from IBIZA, vol.4 (written by HIDEYO BLACKMOON)

[レター] a letter from THAILAND, vol.5(written by HIDEYO BLACKMOON)

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